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「カラカル」古代エジプトの壁画に描かれた神聖なネコ

【連載】気になるあの「ネコの仲間」に会いたい!(第5回)

2018年09月30日 公開 2024年12月16日 更新

ネコブームの昨今、ペットとしてネコを飼う人が増えている。しかし、可愛いネコはイエネコだけではない!希少種を含む、普通は飼えないネコの仲間もまた魅力的。本連載ではそんな「ネコの仲間」をご紹介しよう。第5回目は「カラカル」だ。

 

ネコ科の中でも突出した瞬発力、跳躍力

カラカルはインド、アフガニスタン、トルコ、アラビア半島から、アフリカ大陸にも広く分布する。足が速く動きが敏捷で、特に、ネコ科の中でもトップクラスのジャンプ力を持ち、垂直方向に3m(自分の体長の5倍ほど)跳ぶことができる。2m程の高さを飛ぶ鳥なら跳躍して捕まえることができ、一度に何羽か捕えることもあるという。極度の乾燥地域で暮らすため、厳しい条件の中でも餌を捕えることができるように進化してきたと考えられている。

トルコ語で「黒い耳」を意味するカラカル。その名の通り大きくて黒い耳をもつ。その耳の先端には長い房毛があるのが特徴的で、さらに耳を長く見せている。目の周りの黒い模様は歌舞伎の隈取にも見える凛々しさで、宝石のような神秘的な色の瞳を強調しているようだ。毛が短く明るい茶色や赤褐色に見える体色で、尻尾が長く、身体は全体に細い。ネコ科の動物だが、体色や顔の形のせいかキツネにも似ているように思える。

 

ピラミッドではミイラも発見!?

どこか高貴な雰囲気が漂うカラカルだが、古代エジプトでは神聖な動物とされていたようで、壁画に描かれたり、銅像になっている他、エジプトのピラミッド内にはカラカルのミイラも発見されているそうだ。古代エジプトでは、イエネコの先祖であるリビアヤマネコがネズミ捕りなどの目的で大事に飼われていたという歴史もあり、神話にはバステトというネコの女神も登場する。古今東西、ネコの魅力はいつでも変わらないということがよくわかる。

 

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