人事のプロが教える「人材価値」を正しく見極める方法
2018年07月11日 公開 2022年08月08日 更新
<<グローバル化なんて一部の大企業だけの話で、我が社には関係ないだろう……と思うなかれ。この変化の時代、グローバル化は日本国内だけでビジネス展開している企業にとっても必須のテーマになってきている。
では、グローバル時代の人事パーソンに必要な力とはいったいどんなものなのだろうか。人事・人材戦略コンサルティングのスペシャリスト南和気氏に聞いた。>>
経営資源としての「人」の価値は世界的に高まっている
一般的に、企業を経営していくうえで必要な経営資源は「人・物・金」であり、最近ではこれに「情報」を加えて“四大経営資源”ともいわれています。
なかでも、今の時代、日本だけでなくグローバル市場でも、「人」の価値が相対的に高まってきていることはみなさんご存じのとおりです。
「物」だけの力で世界中のマーケットで勝負できる時代は終わりました。今はそれぞれの国や地域のマーケットのニーズを理解し、製品やサービスを提供でき、顧客の心に入り込むことができる、あるいは新しい事業モデルやサービスを考え、周囲を巻き込んで実行できるような「人」の力が競争優位の源泉となっています。
これからの変化の時代を勝ち抜き、企業価値を継続的に維持していくためには、「人」を有効活用し、その価値をいかに高めていくかということが、重要となってきているのです。
では、人の価値を構成する要素とはどういうものでしょうか。これを考えるうえで大きな柱となるのが、「スキル」「経験」「モチベーション」の3つです。
海外企業では、「スキル」以上に「経験」を問います。特に管理職やリーダーといった人材には、「なにができるか」よりも、過去に経験した仕事や、直面した判断の内容を問います。
ビジネスを進めるうえで、「経験」の差は大きいものです。過去に様々な仕事の「経験」を積み重ねてきたかどうかは、仕事の見通しを立てたり、重要な決断を行ったりする際に差となって現れます。つまり、持っている「スキル」をどう効果的に使えるかは、「経験」次第でもあるのです。
また、これも当たり前のようで見落とされがちですが、「モチベーション」も重要な要素です。そもそも「モチベーション(=仕事に取り組む意欲)」が低くては、「スキル(=優れた能力)」を発揮することもできませんし、仕事を通して成長することも期待できません。