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ビットコインの本当の評価。欧米では邪悪な存在、日本では夢の通貨

中島真志(麗澤大学教授)

2018年08月08日 公開 2024年12月16日 更新

<<2018年5月23日にPHP総研にて開催された連続講座「PHP未来倶楽部」にて『アフター・ビットコイン』の著者である中島真志氏(麗澤大学教授)による講演が行われた

多くの日本人に伝わっていない世界における仮想通貨の現実を伝え、示唆に富んだその講演の一部を抜粋し紹介する>>

 

お祭り騒ぎをしているのは、日本人だけ?

ビットコインは、夢の通貨か、邪悪な通貨か。
日本ではまだ、議論が進んでいないテーマかもしれません。

日本では、ビットコインブームが継続中です。

メディアでは、ビットコインといえば「通貨の革命」であり、ブロックチェーンという安全性を担保する仕組みも斬新で、まるで「夢の通貨」なんだ、という論調が主です。

実際、日本におけるビットコイン取引量は、世界の取引量の30%~40%と、ナンバーワンのシェアを誇っています。

しかし、お祭り騒ぎをしているのは日本人だけです。

欧米の銀行関係者などに会うと、彼らはビットコインを非常に嫌っています。口に出すのも憚られるといった様子で、イービルとかビシャスといった、強い言葉で表現する。

そして「こんなものは、まともな金融取引には使えないよ」と言います。

だから当然、「規制すべき」という論調になる。例えば、フェイスブックはビットコインなど仮想通貨の広告を全面禁止する、クレジットカード会社はクレジットカードでの仮想通貨の購入を禁止する、といった動きが出てきています。

こんなふうに、海外でビットコインといえば「邪悪なもの」との認識であり、日本だけが「夢の通貨」だと言っている。

「ちょっとそれはまずいんじゃないか」という問題提起がしたくて書いたのが、私の『アフター・ビットコイン』という本なんです。

では、ビットコインの何が問題なのか。ちょっと掘り下げていきたいと思います。

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