メルカリCOOのひと言が気づかせてくれた「成長企業と衰退企業の差」
2018年11月09日 公開
「代替不可能な人材」になるということ
フォーブス ジャパンは、世界的な経済誌である「フォーブス」の日本版として「日本人のための日本語で読むグローバルなビジネスマガジン」を掲げて、世界中のビジネスコンテンツや独自のランキングなどを紹介する雑誌です。
もともとは資産の多い富裕層向けの雑誌でしたが、スタートアップなどのテーマに切り替えたことで、より人気を得ています。時代をつくり、新たな価値を創造している人に重点を置いて取り上げており、今では一部のビジネスパーソンにとってなくてはならない雑誌にまで成長しました。
たとえばハーバード・ビジネス・スクール教授で「破壊的イノベーション」を提唱したイノベーション理論の大家であるクレイトン・クリステンセン氏、日本でいえば落合陽一さんなど、ディスラプター(=既存の市場原理を変化させるほど画期的なビジネスを展開する人や企業。時代の寵児)と言われる、「新たな意義」をつくる人たちを取り上げています。
日本の経営者や金融経済界の重鎮ばかりと接してきた私でしたが、イノベーターと呼ばれる方々は、働き方も考え方もまったく違います。
一番わかりやすいのは、インタビューにおける「代替可能性」です。
イノベーターの方々は掘れば掘るほど新しい価値観が出てきて終わりが見えません。だからこそ納得感も訴求力もあり、メディアでも取り上げられやすい。
一方、私が出会ってきた「旧来型」の日本人経営者の方々の多くは、そこに自分自身の価値観が何%含まれているのか、まったく見えてきませんでした。「この人」である必要性はどれくらいあるのかがわからず、言うなれば「代替可能な人」のように感じられたのです。
視点を世界にやると、その差はさらに顕著です。
海外ではすでに、自分が新しい価値創造をしない人は、リーダーとして認められません。わかりやすい例でいえば、フェイスブックの創始者であるマーク・ザッカーバーグ氏や中国でアリババを展開するジャック・マー氏などです。彼らは絶対に「代替不可能」な人材として君臨しています。
代替可能な人材か、それとも代替不可能な人材か。
私が長らく抱いてきた疑問の答えは、この一点に集約されていました。それは言いかえれば、価値を創る人かどうかということでもあります。