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この"絵"を「数式で表す」とどうなるか? 数学画家が描く意外なアート

瑞慶山香佳(ずけやまよしか:数学画家)

2019年02月01日 公開 2019年02月07日 更新

<<数学画家の瑞慶山香佳(ずけやま・よしか)さん。数式が表現する様々な"かたち"を絵画で表現する"数学デッサン"を提唱し、作品を生み出し続けている。

一般的に数式が表すかたちと言えばグラフを思い起こす人が多いだろう。しかし数式が表現する"かたち"は多様であり、予想を超えるような造形を生み出すものなのである。

ここでは瑞慶山氏の著書『数学デッサン教室』より、さまざまな数式が生み出す不思議な形の一部を紹介する。>>

※本稿は瑞慶山香佳著『数学デッサン教室 ― 描いて楽しむ数学のかたち』(技術評論社刊)より、一部抜粋・編集したものです。

 

こんな不思議な壺も数式で表すことができる

まるで不思議な壺のようなかたち。これが数学なの?と驚かれるかもしれません。このかたちは回転面と呼ばれる曲面に分類されるかたちで、数式で表すことができます。

まず、回転面はどのようにしてできるのか、かたちを分解して考えてみます。

3次元の空間の中に2本の平行な直線があるとします。片方の直線を軸に
もう片方の直線を回転させたとき、その軌跡はどのようなかたちになるでしょうか。

答えは、内側が空洞になった筒のようなかたち“円柱面”になります。

では、回転させた方の直線をぐにゃぐにゃと曲げたら、その軌跡はどのようなかたちになるでしょうか。

答えは、最初のあげた壺のようなかたちです。

このように1本の軸を中心に曲線(数学では直線も曲線に含まれます)を回転させてできるかたちのことを、“回転面”といいます。このとき、回転させる線を“母線”といいます。

先に例をあげた円柱面が回転面に分類される曲面であることはすでにお気づきでしょう。

他にも回転面の例として、円錐面や二次曲面、トーラスなどがあげられます。

回転面を作るときの数式を見てみましょう。

(x, z)平面上にあるz軸と交わらない曲線を y = f(u) z = g(u) とすると回転面は以下の数式で表すことができます。

ちなみに、壺のようなかたちは下記で表すことができる曲線をz軸の回りに回転させたものです。

回転面の数式に曲線の数式を当てはめれば、様々な曲線から回転面を作ることができます。

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学校の授業でもお馴染みのあの"かたち"は?

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