この"絵"を「数式で表す」とどうなるか? 数学画家が描く意外なアート
2019年02月01日 公開 2019年02月07日 更新
学校の授業でもお馴染みのあの"かたち"は?
回転面に分類される曲面には、いくつか固有の名前がついているかたちがあります。
固有の名前がついているかたちは、回転面の性質の他にも特別な性質があって研究されてきました。ここからは回転面以外の性質も合わせてかたちを見てみましょう。
回転面を作ったときの2本の直線を思い出してください。平行だった2本の直線の軸の方はそのままに、母線を軸に交わるように傾けて回転させると、どのようなかたちになるでしょうか。
答えは、“円錐面”になります。円錐面のかたちは学校の授業などでもお馴染みですね。
さて、円錐面に関する特別な性質にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは円錐面に関わる性質の一つ、円錐曲線について見てみましょう。
円錐曲線とは、円錐面を平面で切断するときその切断面に現れる曲線のことです。円錐曲線には、楕円、双曲線、放物線の三つの種類があります。
円錐曲線は紀元前に発見された!?
円錐曲線は、紀元前、メナイクモスによって発見されたといわれています。
メナイクモスはアレクサンダー大王に数学を教えていたとも伝えられている数学者です。その後、古代ギリシャのアポロニウスがメナイクモスの考え方を発展させて『円錐曲線論』(全8巻)にまとめ、今日に至るまで様々な数学者によって研究されています。
中世ヨーロッパではケプラーによって天体の軌道の計算の際に円錐曲線が用いられるなど、天体力学の分野にも関わりがあるかたちです。
ところで、円錐曲線を発見したメナイクモスはなぜ円錐面を切ろうと思ったのでしょう。
その発想がどこから生まれたのか、私はとても不思議に思いました。そこで、円錐曲線の歴史を少しだけ調べてみたのですが、発想のきっかけについては全くわかりませんでした。
もしかしたら純粋な知的好奇心からの発見だったのかもしれませんね。