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Q・B・Bブランドで「ベビーチーズ」のシェア7割。 開発先導と高収益を両立する六甲バター株式会社

三宅宏和(六甲バター株式会社社長)

2019年02月27日 公開 2019年04月15日 更新

フィロソフィは部下指導にも生かせる

――経営のあり方を図る「アメーバ経営」という共通の手法があるので、議論がやりやすくなっていると感じました。ただ、各部署が最大の利益を出そうと必死になるあまり、関係がギスギスすることはありませんか?

三宅 そこで大切になるのが「フィロソフィ」です。高い目標を持つとか、目先の成功、失敗に一喜一憂しないというようなフィロソフィを、日々の仕事の中で意識するようにしています。「六甲バターフィロソフィ」というものを2014年に作り、社員に徹底しています。

これは、弊社の創業家出身である塚本会長の考え方をまとめた「塚本イズム」的な要素と、稲盛和夫さんの考え方をベースにした「京セラフィロソフィ」の要素を合体、融合させた内容です。

そもそも創業者の後を継いだ二代目の塚本会長の生き方、ものの考え方と、稲盛さんの考え方は近いものがありました。塚本会長は「盛和塾・神戸」の創設メンバーですから。

現在、「フィロソフィ」の朝礼を毎週1回か2回、各部署で行っていますが、たんに感想を述べるということはしていません。発表者は「フィロソフィ」の中の項目について、「こういう点に共感し、こんな実践を仕事の場でしました」という発表をしています。

実践という点でいうと、「フィロソフィ」には「自ら決めたことを守る」という項目があります。生産現場ではこれを特に重視し、作業手順にせよ、目標管理にせよ、自分の意志で決めたことをやり切るようにしているのです。

――フィロソフィをお題目にしないことは大切です。

三宅 アメーバ経営に基づく部門別採算制度とフィロソフィ、この両輪がないとうまくいかないと実感しています。部門別採算制度ばかりにとらわれていると、「数字だけやったらそれで構わない」となってしまいます。また部下は上司に、「結局、数字だけが欲しいんですか」と不満を抱くようになります。

これではまずい。上司は部下に「そうではない。人間として正しい考え方で仕事を行い、その仕事を通して成長することが大切だ」と、教えられなければならないのです。そのために必要な芯になる考え方が「六甲バターフィロソフィ」にまとめられていて、部下指導の際にも「ここに書いてあるやないか」と言えるのがよいのです。

――たしかに、部下指導に有効に活かせます。

三宅 一方で、皆が苦労をして、なんとか数字を達成しようと努力する。このことは大変重要です。各部署にマスタープランがあり、会社の利益に対する貢献が数字で見える形で課せられている。それを達成することで会社の利益に寄与することになり、仲間皆の幸福にも結びついてくる。会社への忠誠心にもつながってくるのではないかとも思っています。

もちろん、目標を達成出来ないときもあれば、出来るときもある。でも、出来たときの嬉しさが働くエネルギーになるのではないかと思うんです。一方で、働いていて苦しいときの心のよりどころ、仕事の指針として「フィロソフィ」を使ってもらえればと考えています。

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開発力、生産力、営業技術力を組み合わせが生む新展開

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