<<ネット、アルコール、買い物、甘いもの、恋愛、ブラック企業……「やめたいのに、やめられない」こと。やめたほうが良いことは分かっていても、なかなか止められない。
そんな自分を変えるにはどうしたら良いのでしょうか?
汐街コナさんの著書『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』は、さまざまな依存症やプチ依存から抜け出した人たちと依存症専門医に話を聞いた、脱・プチ依存コミックエッセイ。
ここでは同書で紹介されている事例の一部を紹介します。>>
※本稿は汐街コナ著・大石雅之監修『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』(サンマーク出版刊)の内容の一部を要約し、記事化したものです。
Facebookは自分を不幸にしている
「ある日、いつものようにFacebookを見ていたら気がついたんです、なんで私はわざわざ自分を不幸にするものを見ているんだろう?って」
ライターの石徹白(いとしろ)さんがひどいネット依存に陥ったのは会社員を辞めて、フリーランスのライターになった時でした。
当時は仕事はほとんどなく、お金もない。時間だけがあったそう。本来なら仕事をもらいに外に出て人に会いに行くべきだったのに、石徹白さんがとった行動は「とりあえず、ネットしよ」でした。
「不安をごまかすためにネットに逃げていました。ネットに逃げていてもお金は稼げないので、どんどんお金は減っていき、仕事ももちろん増えず、不安になってまた、ネットに逃げる。完全に悪循環ですね」
そう振り返る石徹白さんですが、さすがに貯金も底が見えてきます。このままじゃヤバい!と感じた石徹白さんはネット依存から抜け出そうと決意します。
まず、石徹白さんが手をつけたのはFacebookでした。
「Facebookは最初のうちは楽しくても、友人のリア充自慢にすぐに嫌気がさしていたんです。見ていてイライラするだけなにに、時間が奪われる。Facebookを見ていてもいいことなんてないって気づいたんです」
石徹白さんがFacebookをやめるために、とった行動は「開かない」ではなく「開いても意味がない状態にする」ということでした。具体的には、「友達をまず全員非表示にする」ということ。そうすれば、Facebookを開いても何も表示されないようになる。
私はネット依存から抜け出すというのは、「Facebookを明日から見ない!」というように決意して、ひたすらガマンすることが必要だと思っていたので、「なぜそうしなかったのでしょうか?」とたずねました。するとこう応えてくれました。
「依存状態って精神的にも弱っているので、そんな根性論は通用しないんです。最初は自分の意志に頼らない方法で、できることから少しずつやって成功体験を積んでいくことが大事です」