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生き方

ネット依存に陥って気づいた「自分を不幸にするモノ」

汐街コナ (著), 大石雅之 (監修)

2019年06月11日 公開 2022年06月10日 更新

 

大切なことは自分を責めないこと

Facebookを見なくても何も困らないことに気づいた石徹白さんが次に手をつけたのは「ネットサーフィン」。

まず石徹白さんはブラウザのトップページを白紙に変えます。仕事でなにか調べ物をしようとネットを開いたのに、トップページのニュース記事が気になってどんどんリンクをクリックしていき、全く仕事と関係のない記事を読んでいた……。

なんてことは私もよくありますが、この「なんとなく気になったリンクをクリック」を阻止しようと、石徹白さんは調べ物をするときだけ検索窓に直接入力するようにします。

また、「ブラウザの履歴で自分が何をインターネットで見ていたかをチェックしていた」と言います。依存症専門医の大石雅之先生は、依存から抜け出すためには「客観的に自分を見つめることが大事」と言っています。

石徹白さんはブラウザの履歴を確認することで自分がどのようなサイトに触れているのかを客観的に見つめ、少しずつムダな「ネットサーフィン」の時間も減らせることができたそう。

最後に石徹白さんが手をつけたのは一番ハマっていた「2ちゃんねる」。最後の砦は「根性」で乗り切ったそう。根性論では乗り切れない、と言っていた石徹白さんですが、なぜ最後は根性で乗り切れたのでしょうか。

「2ちゃんねるもFacebookやネットサーフィンと同じように工夫して抜け出せないかやってみましたが、こればっかりは相当ハマっていたので無理でした。とにかく5分ガマンすることを心がけてなんとか抜け出せました」

石徹白さんはFacebookやネットサーフィンでの成功体験で自信がついたからこそ、根性で乗り切れたと言います。それでも、今までハマってしまっていた2ちゃんねる見てしまうことはあり。

ネット依存から抜け出すために大事なことは「自分との約束を破ってしまっても自分を責めないこと」だと言います。

「自分を責めて自己嫌悪に陥ると、不安からまた何かに依存してしまうのです。ネット依存を抜け出した今でも、ストレス発散でネットを見てしまうこともありますが、それくらいは許して完璧を目指さないようにしています」

 

現実はコスパが悪い。でも現実でしか見えない景色がある。

Facebookやネットサーフィンの時間を減らし、最後は「2ちゃんねる。」も攻略した石徹白さんは、ネットに逃げていた時間を、ライターのお仕事の時間に費やし、結果的にフリーランスとして仕事が回るようになります。

最後に「やっぱりネットより現実の世界の方がいいですよね?」とたずねると、「現実って分が悪いんです」と石徹白さんは応えました。

「ゲームのガチャでレアキャラ当てたとか、SNSでたくさん「いいね」もらえたとか、そういうわかりやく華やかな世界がネットなんです。それに比べて現実は本当にささやかでショボい。コスパが悪いんです」

たしかに、ネットの世界の方が、頑張った分だけわかりやすく、リターンがあるのかもしれません。それに対し、現実はコスパが悪い。でも……

「そのショボいものを、コスパが悪くても地道に積み上げていく。そうやって積み上げると見えてくる景色があるんです」

石徹白さんは現実の世界でライターとして仕事をし、編集者からまた次の仕事をもらえたときのうれしさは、ネットの世界では味わえなかったと言います。

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