夫の両親にバレた「アルコール依存」 離婚を覚悟した妻を救った”姑の言葉”
<<ネット、アルコール、買い物、甘いもの、恋愛、ブラック企業……「やめたいのに、やめられない」こと。やめたほうが良いことは分かっていても、なかなか止められない。
そんな自分を変えるにはどうしたら良いのでしょうか?
汐街コナさんの著書『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』は、さまざまな依存症やプチ依存から抜け出した人たちと依存症専門医に話を聞いた、脱・プチ依存コミックエッセイ。
ここでは同書で紹介されている事例の一部を紹介します。>>
※本稿は汐街コナ著・大石雅之監修『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』の内容の一部を要約し、記事化したものです。
「ちゃんとしなさい」が口癖のお母さんに育てられた
アルコール依存症になった主婦Tさんは、子供のころ母親にかなり厳しく育てられたといいます。
そんな母親の口癖は「ちゃんとしなさい」。
中学生になって、男子と文通していると「男の子と文通なんて、今はやらなくていい」と言われ、友達と映画を見に行きたいといえば「子供だけで遠出なんてだめ」と反対されたそう。
そして、少しでも言い返せば「お母さんはあなたにために言っているのよ!だいたいあなたはこの前も……」と叱られるのです。
だんだんTさんは何も言い返せなくなり、就職先ですら親の言う通りの企業に就職したのだそう。
Tさんは社会人になるまで、厳しい母親の元、「失敗しない」「挫折しない」人生を送ってこれたといいます。ただ、社会人になると、そうはいきません。仕事で嫌なことがあるとお酒でストレスを解消するようになります。
「今思えばお酒に逃げていました。ずっと、お母さんのしいたレールの上を歩いてきたんですが、それは母が失敗させないよう挫折しないように敷いたレール。
でも失敗を経験しなかった私はストレス対処法を知らずに育ったんです。失敗したときにどうすればいいか全くわからなかった。それでお酒に逃げたんです。」
Tさんが新卒で入社した会社は家から遠く毎日1時間半以上満員電車で通い、時には痴漢にもあったそう。そんなストレスをお酒を飲むことで解消するようになります。
Tさんの飲酒はだんだん習慣化していき、満員電車を避けるために家の近くの会社に転職するも、人間関係がうまくいかず、毎朝飲んでからでないと出勤できなくなり、とうとう会社に行くふりをして公園でベロベロになるまで飲むように。