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なりたい自分を実現する「課題解決力」

稲垣一郎(株式会社HRインスティテュート取締役・シニアコンサルタント)

2019年09月24日 公開 2022年07月22日 更新

 

課題解決プロセスで犯しやすいミス

こうした課題解決プロセスを個人の人生に活用する場合、例えば5年後や10年後に自分がどんな存在になっていたいか、そんな「ありたい姿」について考えるケースが多いのではないでしょうか。

その時、ぜひ心に留めておいて頂きたいポイントがあります。

それは、ありたい姿を思い描くだけではなく、その状態になった暁にどのような価値を提供できるのか、どのような具体的なインパクトを社会に与えることができるのか、という点までイメージしてほしいということです。

例えば、何らかの職業に就きたいという希望を持っている場合に、その職業に就くこと自体を目標にしてしまうと、その先が見えてきません。その職業に就いた自分がどのような価値を提供できているのかまでしっかり描き切ることによって、実は今後の課題や対策に対する重要な打ち手につながっていくのです。

そこまで落とし込んで考えることで、逆に現状がどのような状態であり、未来に向かってどのように努力していくのかというところに工夫が生まれます。

一見無駄なように見えるかもしれませんが、そこまで考えてほしいと思います。言語化してみることは、自分の行動を変えていく上で大きな効果をもたらすはずです。

また、あるべき姿を一度描いたからといって、それで終わりというわけではありません。

一度プランを立てたとしても、そこから時間の経過があるからです。
その時間の経過の中で、自分を取り巻く環境や背景が変わっている可能性があります。何回も見直すことによって、その変化に応じて、あるべき姿を変えるべきかもしれないという状況が生まれることもあるでしょう。

本質的な原因だと思っていたけれど、実はそれ自体が誤っていたという可能性もあります。何がどうだったのか、ちゃんと対策ができていたのか、という確認作業をぐるぐる繰り返すというのが基本動作です。

つまり、課題解決のプロセスとは、PDCAサイクルそのものだということを知っておいて頂きたいと思います。

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