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ハイボールなら太らないは本当? “筋肉体操”谷本道哉氏が教える「筋肉が身につく食事法」

谷本道哉(近畿大学生物理工学部准教授)

2019年10月03日 公開 2020年04月10日 更新

 

アルコールと筋肉の関係について。「ハイボールなら太らない!」なんてことはありません

アルコールと体づくりに関して、気になる人は多いと思います。

まず、筋肉には多量の飲酒はマイナスです。多量の飲酒は筋肉を破壊するからです。これを「アルコール筋症」と言います。飲酒量に比例して筋肉量が減り、筋力が低下します。肝臓等の負担も大きく、筋トレからの回復を考えても多飲は好ましくありません。

また、アルコールは「太ります」。肥満治療でも、飲酒量を減らすことが指導されます。

「アルコールはすぐに使われてなくなるから、アルコールと水のみの蒸留酒なら太らない」「ハイボールは飲んでも太らない」
と言われることがありますが、そんな都合の良い話はありませんよ。

アルコールはそのまま体内に貯蔵できませんので、飲むと優先的にエネルギーとして使われるのは事実です。ですが、その間に糖質、脂質、タンパク質(特に脂質)は使われなくなっています。だから、結局はアルコールもカロリーのもとになります。「アルコールはすぐに使われるから」は、太らない理由にはまったくなりません。

また、優先的にといっても使いきれない分もあります。使い切れない分は中性脂肪になります。だから、よく飲む人は中性脂肪が高く、脂肪肝になりやすいのです。加えて、アルコールは「別腹」。飲む量が増えても食事量にあまり影響しません。

ビールは350ml缶で約140kcal。そのうちの約70%がアルコールのカロリーですので、ハイボールにかえれば30%分はカロリーカットにはなります。でも太らないと信じている人は、それ以上に飲む量が増えていませんか。

健康上も、適量であっても心疾患以外には基本的にはマイナスです。よく飲む人は、少し減らしてはどうでしょうか。じっくり味わって飲むことでも量は減らせますよ。

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