みんなが疲れる「権威ごっこ」はもうやめよう
ただこれって、だれもが簡単にできることではないですよね。
となると、「この人が言うことはもっともだ」「この人こそが正しい」と部下に思ってもらうためには、役職者には権威がある、と思わせるしかありませんでした。
だからこそ、これまでマネジャーは「選ばれし者」でなければならなかったし、人格者である必要がありました。上に立つ者は高級なスーツを着て、品位を落とすような発言や行動を慎むべき、下位の者は上を立て、という価値観があったのでしょう。
もはや、それは「権威ごっこ」です。
こうしていつの間にか、マネジャーとは「地位」であるかのようにみんなが錯覚していったというわけなのですが……。
そんなの、もうしんどいですよね。偉ぶるのも、へりくだるのも。
権威が必要だったのは、情報やスキルが不足していたから。
しかしいまや、必要な情報はだれでも得ることが可能な時代です。むしろ最新の知見は現場のほうが明るい、という場合も多い。意思決定の材料となる情報は、すでにメンバーが十分に持っています。
つまり、スキルや情報をマネジャーだけが持っている必要はなくなりました。
であれば、もうマネジャーは、無理に自分を大きく見せる必要はないのです。
やることは、「あなたはどう思う?」「この場合はどうしたほうがいい?」と、メンバーの意見を聞き、情報を引き出すこと。そして、最終的な意思決定をすることだけです。
「弱みなんて見せられない」と虚勢を張らなくてもいいし、決して「部下がついてくる人物にならなければ」と肩に力を入れる必要もありません。