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超“上から目線”なのに大行列の謎…人気カレー店が要求する「鉄の掟」

永井孝尚

2019年11月07日 公開 2019年11月08日 更新

 

「売ってはいけない」相手を見極める5ステップ

では、私たちはどうすればいいのか?

普段付き合う相手を選ぶのと同様に、「自分にとって理想的な顧客は、どんな顧客か」を決めることだ。その方法がR・B・ミラー他の名著『戦略販売』(ダイヤモンド社)にある。概要を紹介しよう。

まずすべての顧客を棚卸しして、「ベストな顧客」と「最悪な顧客」をリストに書き出す。

リストをじっくりと見て共通する要因を洗い出し、「ベストな顧客の特性」と「最悪な顧客の特性」を特定する。そして、両者を見て「理想的な顧客のプロフィール」を決める。

これが「理想的な顧客」だ。

具体例で考えるとわかりやすい。私の会社のケースを紹介しよう。

私の会社は、コンサルティングや新規事業開発支援の他に、企業に講演・研修を提供している。

有り難いことに素晴らしいお客様ばかりだ。しかし、中にはそうではないお客様もいる。

そこで、これまでの顧客を棚卸しした結果、次の3点を当社の「理想的な顧客のプロフィール」と定義している。

①ビジネスの課題・求める成果・参加者・時期が明確かつ具体的であること
②私の会社を、対等なパートナーとして評価していること
③経営トップとの関係が構築できること

解説すると、まずお客様を見直した結果、課題が明確で具体的なお客様とは確実にいい関係を築けることがわかった。お互い対等な立場で議論でき、経営トップとの関係を構築できることも大切だ。

逆に金銭面の条件が良くても、課題や求める成果が不明確だったり、相手を下請け扱いしたりするお客様の場合は、時間と労力をかけてもよい成果に繫がらないことが多い。そこで、これらのポイントを把握するため、依頼をいただく際に次の点を確認している。

①当社に講演・研修依頼をした理由は何か?
②参加者プロフィールと、抱えている課題は何か?
③講演や研修で期待する成果は何か?

その上で「当社がこの3点を検討し、お役に立てるようであればご依頼を承る」と伝えている。講演・研修を実施するかどうかは当社の判断であり、辞退することもある。

時間は有限だ。限られた時間を使って、本当に当社を必要としていて困っているお客様に価値を提供したい。しかし、中にはご支援しても成果が出ないお客様もいる。それならばこの時間は、当社を必要とするお客様に活かしたほうが、世の中の役に立つ。

お客様は神様ではない。むしろ「自分にとって大切な人」なのだ。

自分にとって大切な人は誰なのかを考え、選ぶべきなのである。

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