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日本企業が遅れを取った要因…海外で「ファイナンス部門」が重視される理由

梅澤真由美 (公認会計士、管理会計ラボ株式会社代表取締役)

2020年02月25日 公開 2022年03月04日 更新

 

事後検証はPDCAを回すことを主眼に置く

総じて日本の会社は、事後検証が弱いようです。計算できないことを理由に、事後検証をしない傾向があります。だからますます数字のブラックボックス化が進んでしまうのです。

事後検証を意識すれば、その事後検証の際に使う観点や数値を書いておくはずです。書いてありさえすれば、それを確かめるだけですむのに、あえてはっきりさせていない。

新規事業の立ち上げ期は、赤字が続くことが多いものです。この赤字はファイナンスの観点から考えれば問題ないのに、ファイナンスを十分に理解せず、会計ばかりを意識することが刷り込まれているため、どうしても損失を出し続けることに気後れしてしまうのでしょう。

大雑把な数字でもかまいません。難しい数式を駆使しなくても、四則計算ぐらいでいい。精度も6割から7割でいいから、まずは自分で事後検証をやることをめざしてください。

事前に「このぐらいになるだろう」という仮説をもち、狙い通りだったかどうか比較するのです。また、どこが見積もりどおりでなかったかを特定することで、その学びを次回に活かすことができます。

事後検証は数字を当てることより、PDCAを回すことを主眼に置けばいいと思います。

やりながら8割、9割の精度に上げていけばいいのです。

 

ファイナンス思考はプライベートでも使える

さらに、このファイナンスの考え方は、ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも使えます。たとえば、

「老後2000万円不足問題を自分に当てはめるとどうなる?」
「マイホームは購入か賃貸のどちらにする?」
「どんな保険に加入すればいい?」

などを考える際にも、よりよい意思決定を短い時間で行えるようになります。

ファイナンスは自分の生活や仕事をよりよくするためのもの、つまり「自分のため」のものなのです。

この、公私にわたって使えるファイナンス思考を、ぜひみなさんの生活に取り入れてみてください。

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