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「収入でも、知名度でもない」 若手の離職率0%の会社に共通する"ある特徴"

伊庭正康(らしさラボ代表)

2020年02月27日 公開 2022年07月14日 更新

 

人事問題は「HRM」のフレームワークで確認

HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)は、「採用活動」から、採用した人が「最大のパフォーマンス」を発揮するための人事施策までを要素別に整理したものです。

私が人材業界にいた時から使っているフレームワークで、人事問題に悩む経営者の悩みを整理する際にも大いに役立ちました。それがこの図です。

離職の問題においては、課題はシンプルで、優先順位をつけるなら、ここに示す★印に問題があることがほとんどです。

参考にしていただきたいデータがあります。新卒3年以内離職の原因を調べた調査結果です。この調査からも、★の箇所が重要であることがわかります。

【参考データ】新卒3年以内離職の理由(アデコグループ調査・2018年) 
「自身の希望と業務内容のミスマッチ」(37・9%)
「待遇や福利厚生に対する不満」(33・0%)
「キャリア形成が望めないため」(31・5%) 
※注視すべきは、上司との関係、残業よりも、これらが上位であること。

解説しましょう。離職要因ごとにHRMのフレームワークを照合すると、★に対応していることがわかります。

「希望とのミスマッチ」は、HRMの「採用対象のミスマッチ(★)」に対応し、「待遇や福利厚生への不満」はHRMの「評価と報酬(★)」に対応しています。

「キャリアが望めない不安」は、HRMの「教育体制(★)」の問題です。

もし、職場の離職が問題となっているようなら、まずは、この3点に課題を求めてみてはいかがでしょう。その上で上司に、次の①②③のように提言をしてみてください。

【提言】離職率が高いのは、
①「対象のミスマッチが原因ではないでしょうか?」
②「評価と報酬が曖あい昧まいになっているのが原因ではないでしょうか?」
③「教育体制、キャリアパスが不明確なことが原因ではないでしょうか?」

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離職率を改善させる鍵は「育成プログラム」

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