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親子で知ってほしい「がんの3大要因」…生活習慣、遺伝的要因、ウイルスの感染

一石英一郎(いちいし・えいいちろう)、鬼塚忠

2020年03月11日 公開 2022年03月07日 更新

 

「がんリスク」をできるだけ抑えるための2つの方法

(一石)もうひとつ、今なぜそのことを教えるというのは、最近になって、がんについて科学的に証明されることが増え、子どもたちにその性質や実態を正しく伝えられるようになったからです。

例えば、がんの原因は、「生活習慣」、「持って生まれた遺伝的要因」、「細菌やウイルスの感染」だとわかってきました。それが複数重なったことでがんが発生する場合もありますし、ひとつだけで発生する場合もあります。

また、たったひとつのがん細胞が、一般的ながん検診で発見できる1センチ程度の大きさの塊になるまでに通常10~20年かかります。

それ以降は大きくなる速度が増して、がんの塊が2センチ程度になるのに1〜2年しかかからない。さらにその後は加速度的に大きくなり自覚症状が現れてくる。そんなことも昨今わかってきています。

(鬼塚)がんの正体が解明されつつあることはわかりました。しかし、難しいことはさておき、結局、私たちは、がんに罹らないためにどういったことをすればいいのでしょうか。

(一石)がんには3つの要因があるといいました。生活習慣、感染、遺伝です。遺伝はどうにもならないので、がんを防止するには、遺伝以外の2つのことに注意すればいいでしょう。

ひとつはがんになりにくい生活習慣を心掛けることです。タバコを吸わない、過度の飲酒をしない、バランスの良い食事をするといったことがこれに当たります。

もうひとつはがん検診の大切さを知り、一定の年齢になったらがん検診を受けてがんリスクをさらに抑えることです。 

現在の医療において、総じてがんの6割は治る時代となりました。これは診断装置の進歩や治療方法の発展により実現されてきました。

皆さんは「早期発見早期治療」という言葉を聞いたことがあると思います。なぜ、がんを早く見つけて治療することが推奨されるのでしょうか?

理由はいろいろありますが、そのもっともな理由はがんの進行度別に見た5年相対生存率を見れば明らかです。がんは進行すればするほど治りにくくなる病気ですが、がんの種類によって差はあるものの、早期に治療すれば約9割は治る病気です。

そのためには早期発見が最重要なのです。日本では胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸けいがんなどのがん検診を行っており、国はこの5つのがん検診の効果を認めて推奨しています。

働き盛りでお忙しい読者も多いかと思いますが、是非、がんになりにくい生活につとめ、定期的にがん検診を受けていただければ、がんのリスクは大幅に減ると思います。

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