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テレワークで急増する「急に部下を動かせなくなった上司」…今すぐ改めるべきポイント

飯田剛弘, 丸山哲也

2020年04月16日 公開 2024年12月16日 更新

通勤がなくなった。紙のやりとりがオンライン化された。テレワークのメリットがこのところ急激に意識されるようになった一方で、対面での会議や進捗がしづらくなり「やはり在宅では仕事が進めにくい」といったマネージャーの悩みの声も日に日に増してきている。

「その場で気軽に確認」ができず、こまめに進捗を把握できないもどかしさ。「テレワークだから仕方ないよね」と、十分な説明がないまま作業を「丸投げ」してしまうようなケースも。

対面による「阿吽の呼吸」でなんとなく業務をまわしてきた上司・マネージャーほど、そもそも「仕事の進め方」の原則を理解していない場合が少なくない。在宅勤務は、これまでの仕事のやり方の限界が露呈するひとつの機会ともいえる。

本稿では、プロジェクトマネジメントの専門家が「仕事の進め方」の原則を解説した『こじらせ仕事のトリセツ』(飯田 剛弘、丸山 哲也 著)より、「自己流」に頼らず、どこでも通用する進捗管理の考え方について書かれた一節を紹介する。

※本稿は飯田 剛弘、丸山 哲也 著『こじらせ仕事のトリセツ』(技術評論社)より一部抜粋・編集したものです。

 

ゴールした状態を想像することから始めると、作業の抜け漏れを防げる

ゴールを決め、どう進めようか検討したものの、「どこから手をつければいいのか、よくわからない」というときがあります。

このようなときは、「何がわかっていれば、ゴール達成の答えが出るのか?」から考えます。

具体的には、ゴールを達成したときの状況や、やり遂げた状態を想像します。それをできるだけ言葉にして、どういったもので構成されているかをハッキリさせます。要するに、答えの要素を切り分けていくのです。

たとえば、新人歓迎会を企画することになったとします。

このときに、何をやらなければいけないかと考えるのではなく、「そもそも新人歓迎会って、どんな感じだったっけ?」と考えてみてください。

すると、昨年やった歓迎会は、金曜日午後6時半から、品川駅から徒歩5分くらいにある居酒屋「○○」で、焼き鳥を中心にしたメニューで、15人くらいの人と楽しくやっていた。予算は○○円ぐらいだった。というようなことを思い出すかもしれません。

まずは、このようにゴールした状態や最終的な成果を、わかる範囲で具体的にして、答えの要素を切り分けていきます。

次に、今度はこれらを構成する要素が、答えになるように質問を作ります。たとえば、日時をどうするのか、お店をどこにするのか、予算はいくらにするのかなどです。

具体的な事例から、構成する要素を抽象化して内容を理解することで、新しい案に応用できます。結果として、予定を立てるうえで、決めておくべき項目を洗い出せるようになり、何をやるべきかがわかってきます。

この洗い出しが不十分だと、本来やるべきことや検討すべきことが漏れるため、ゴールにたどり着かなくなります。逆に、内容がかぶっていると、余分な作業をすることになります。

そのため、要素を切り分ける際は、まず図に落とし込み、全体像を見るようにしましょう。すると、要素のレベル感の違いや不揃いに気づきやすくなり、漏れやダブりを減らすことができます。

レベル感を揃えるのが難しいときは、レベル感が上の要素から先に考えると、合理的に進められます。たとえば、歓迎会の企画であれば、料理のジャンルを決めてから、そのなかでどのお店がいいかを決めるという流れです。お店ありきだと、違うジャンルの料理がまったく食べられないことってありますよね。

なお、要素を切り分けていく際は、図を書いて全体像を見るようにしましょう。漏れやダブり、要素のレベル感の違いに気づきやすくなります。

また、類似の仕事を経験した人に確認をとることで、実際に問題になる前に、漏れなどを見つけられます。要素の切り分けで何か不安を感じるのであれば、相談してみるといいでしょう。より自信をもって、作業を円滑に進めることができます。

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作業を適度に分割すれば、進捗は把握しやすくなる

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