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生き方

「すぐに不安になってしまう人」の心を縛る正体は“親と会社”

心屋仁之助(心理カウンセラー)

2020年07月16日 公開 2023年08月17日 更新

親の愛情ゆえの言葉が心に不安を植えつける

――不安になる人とならない人の分かれ目をたどると、育った環境に行きつくという。

「『不安持ち』の人はたいてい『不安持ち』の親に育てられています。不安とはすなわち、親からの教えなのです。

心配性な親は、おそらくは愛情ゆえに、『~すると大変なことになるよ』『~しないとあとで困るよ』といった言葉を投げかけるのですが、それを毎日聞かされた子供は、心に不安を植えつけられてしまいます」

――それでも、通常は、思春期頃から自分自身の考えが芽生え始める。

「芸事や武道の世界で言うところの『守破離』と同じ道筋です。最初は指導者の言うことに忠実に従う『守』、次いで、その教えとあえて違うことをする『破』、そして最後に、独自のやり方を確立して、指導者から独立する『離』。

このうち、10代の反抗期は『破』の時期に当たりますが、このプロセスをうまく経ていないと、大人になっても『守』のまま。40~50代になってもここに留まっている人は珍しくありません。前述のコロナ禍以前から自粛していた人は、まさにそれです。

人目を極端に気にするのは、親に『後ろ指を指されるようなことをしちゃダメ』と教えられたか、もしくは、親の目そのものを気にしているからでしょう。

会社からの給与だけを収入だと思い込む考え方も『守』の人ならではの傾向です。小さい頃に親を、今は会社を、保護者の位置に置いていると言えます」

――そう考えると、真の意味で「守」から脱却できている人はかなり少数かもしれない。「破」「離」へと進むには、何が必要なのだろうか。

「才能や技能は必要ありません。ただ、『~したい』という衝動のみです。これは、現在囚われている『~しなければ』とは別種の、爆発的な推進力を持つ動機です。

この点でも、今はチャンス。『守』のままの人は不安とストレスで限界まで来ていて、『本当はこうしたい!』という衝動が起こるまで、あと一歩ですから」

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