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3時間睡眠でも“充実している人”と“寝不足でツライ人”の分かれ道

田村広大(予防医療診断士)

2020年09月03日 公開 2022年05月31日 更新

 

「何のために短眠したい?」目標と目的をしっかり決める

習慣と並んで大事なのが、目標です。まず、下記の4つの質問に答えてください。

1. 短眠の習慣を身に着けたら、どのような目標を達成したいですか?
2. なぜその目標を達成したいのですか?
3. その目標を達成すると、どのような気持ちになるでしょう?
4. その目標を達成することで周りにどのような影響を与えたいですか?

「これ、短眠と関係があるの?」と思うかもしれませんが、これが大ありなんです。というのも、短眠が長続きするか否かは、「目標をいかにしっかりと持っているかどうか?」によって大きく左右されるからです。

私は、いつも「目標と目的をまずしっかりと決めてください」と言っています。

目標とは、「何がしたいか?」「向かうべきところ」。
目的とは、「何のためにそれをするか?」「何のためにそこに向かうのか?」です。

目的のほうが、より具体的な行動を掲げることが多いでしょう。この2つの軸で物事を決めることが大切です。これは短眠においても非常に重要なことです。

私がいた関西大学のアメフト部は、入部する前までそれほど強くありませんでした。毎シーズン、一部と二部をいったりきたりするようなチームだったのです。

大学2回生のときに監督が変わり、新しいコーチが入ってきました。監督は「強いチームをつくる」「学生でチャンピオンを目指す」という目標と、「社会に役に立てる人材育成をする」という目的を掲げました。

そして、「社会人としてきちんとできているか」という基準軸を置いたのです。「遅刻をしない」「人に迷惑をかけない」など、人としてあたりまえのモラルを徹底的に指導されました。

どんなにアメフトの技術に長けている選手でも、遅刻する人はダメ。学業がおろそかになり、成績が足りていない学生は評価されません。日ごろの筋トレの数値が悪ければ、どれだけ優秀でも試合には出場させてもらえませんでした。

監督は、「みんなで決めたルールの中で求められるパフォーマンスをきちんと発揮できる人しか使わない」と言い放ちました。

その結果、どうなったでしょう? チームはどんどん強くなり、ついには63年ぶりに全国優勝を果たしたのです。それ以来、一部リーグにいるのは当然。私がコーチとして携わっていた10年間、関西で3位以下になったことはない強豪チームとなりました。

考えてみると、以前は目標と目的がしっかりと定まっていませんでした。目標も目的も「日本一になる」だったのです。

「日本一になるために、日本一を目指す」というのは、なんか変ですよね。それを「学生でチャンピオンを目指す」という目標と、そのために「社会に役立つ人材育成をしていく」という目的に変えたところ、基準軸も変化したのです。

関西学院大学のアメフト部の監督も、アメフトのことは一切教えないそうです。

「どういう男になりたいか?」をずっと学生に問い続け、答えを出させる。

そして、「それを実現させるためには何が必要か?」を考えさせる。
すると、学生が自主的に練習をはじめるのだといいます。

このように目標と目的を持つと、人はがんばりを発揮できるのです。
私はこの目標と目的を短眠法にも取り入れました。早起き習慣を身に着けたい方たちにはまず、この目標と目的をしっかりと考えてもらうようにしています。

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