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時間に追われる毎朝を劇的に変える「モーニングルーティン」

池田千恵(朝イチ業務改革コンサルタント)

2020年12月14日 公開 2023年08月17日 更新

 

タスクを4つに色分けし、不要なものは「間引く」

では、「モーニングルーティン」では、何をするのか。この1時間は、前半と後半に分けて使います。前半は「Have toを減らす30分」。具体的には、その日のタスクの書き出しと整理をします。

作業としては、TODOリストの作成と似ています。ただ、一般的なTODOリストと違うのは、タスクを色分けすること。思いつくままに書き出したタスクを、次の4つの領域に振り分けてください。

赤=緊急ではないが重要なこと
緑=緊急かつ重要なこと
青=重要ではないが緊急なこと
黒=重要でも緊急でもないこと

緑は「刈り取り」。すぐにアウトプットして、成果に変えなくてはいけないタスクです。ここには誰もが注力しているでしょう。

一方、キャリアの節目になるようなプロジェクトの準備、スキルアップのための勉強、人脈作りのための会食など、差し迫っていないように見えて、実は人生を変える最大のカギが赤です。

言わば、将来の成果に向けた「種まき」。赤の1件は緑の5件分くらいの価値があると、私は思っています。赤のタスクに、毎日、少しでも手をつけることで、充実感を得たり、成長を感じたりすることができます。

青と黒には、要らないタスクがたくさん眠っています。要らないと思ったら「間引き」をしましょう。出る必要のない定例ミーティングなどが、その典型例です。もちろん、業務の都合で出ざるを得ない場合もあるでしょうが、「間引き」と割り切るか、そうでないかで、気持ちも変わってきます。

特に黒は、明らかに不要な「塩漬け」の領域。意味がないのに惰性で続けているタスクがあればここに振り分け、「やらない」と決めましょう。このようにすることで、「Have to」をぐっとスリム化できます。色分けが終わったら、次は赤のタスクを要素分解します。

赤のタスクは、重要なだけに、取りかかるのが億劫になったり、何から手をつけていいかわからなかったりするものですから、タスクの粒度を細かくすることで、着手しやすくするのです。

例えば「企画をまとめる」というタスクなら、「企画の仮説を立てる」「仮説に関連する資料を読む」「資料をノートにまとめる」などと、細かいタスクに分けられます。

このようにタスクを整理したすぐあとに、そのまま仕事を始めることで、タスクに次々と着手することができ、スタートからフルスピードで仕事を進められます。

 

後半の30分はWantを増やす時間に

「モーニングルーティン」の後半は「Wantを増やす30分」です。「将来やりたいこと」や「将来、こうありたい自分」のイメージを存分に描き、その実現に向けて、少しでもいいから着手する時間です。

この「少しでもいいから」という感覚が重要。そもそも、将来の理想像はそうそうすぐには実現できないものです。いくら望んだところで、例えば、いきなり海外移住したり、海の見えるオフィスで働いたりすることは不可能でしょう。

しかし、そうした生活をしている人の情報をネットで検索するだけなら、30分でもできます。そんな30分ずつの前進を、翌日も翌々日も続けていけば、それだけ夢に近づけます。

勉強や読書、イベントへの参加など、将来のために今できることを毎日していると、理想に向かって前進している実感を持つことができます。将来の自分につながる大事なことをしている実感を朝に持てれば、日中に仕事で忙殺されても、建設的な気持ちで1日を過ごせるでしょう。

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