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社会

“コロナ禍”も影響か…『鬼滅の刃』が「知らないとヤバイ」レベルにまで流行した要因

小新井涼(アニメコラムニスト)

2021年01月14日 公開 2021年07月21日 更新

 

コロナ禍と原作最終回

2020年、年明け以降の出来事として、『鬼滅の刃』だけでなく、あらゆるアニメや漫画、エンタメジャンルが直面した新型コロナウィルス(COVID-19)の影響は看過できません。

『鬼滅の刃』も、アニメBlu-ray・DVDの発売延期や、イベントの開催延期・一部中止等の影響を受けました。その一方で、外出自粛が叫ばれるステイホーム期間に突入することで、家でもできる娯楽として漫画やアニメが重宝される中、本作『鬼滅の刃』に新しく手を伸ばし始める人も少なくなかったと思います。

実際に、映像配信サイトでは、3月以降も本作が再生数ランキングに入り続ける様子が見受けられ、アニメ放送終了から1年が経った9月の段階でも、Netflix Japanでは、今日の総合TOP10(日本)に連日本作がランクインしている様子が確認できました。

そうして迎えた5月、原作の連載が5月18日に堂々の完結を迎えます。未だブームが過熱し続ける中での連載終了に世間からは驚きの声もあがりましたが、最終決戦をずっと見守り続けていた作品ファン達からは、作品と作品関係者への感謝と労いの声があがり、この時期SNSのトレンドは、本作関連の話題で持ち切りとなりました。

 

「今これを知らないのはやばいのでは?」という状態へ

2020年の年明け以降の流れをみると、もはやアニメ・漫画業界やその周辺界隈だけでなく、日本中のあらゆる分野が本作のブームに注目し、その盛り上がりが社会現象となっていった様子が窺えました。

アニメ・漫画ファンから始まったブームが、その周辺の、アニメや漫画をそれなりにみる一般層を巻き込み、そこからさらに高い壁を持つ〝アニメや漫画に全く興味がない一般層〟にまで広がるためには、「ここまで世間で評判ならばアニメとか漫画とか関係なく、履修せざるを得ない」と思わせるこの世間の空気が必須事項です。

2020年の年明け以降、原作完結にかけてさらに本作のブームが勢いづいた裏側には、こうして世の中に「今この作品を知らないのはやばい」という空気を生じさせるほどブームが盛り上がっていったことが大きいと思います。

 

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