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トライ&エラーは変数が大切? 東大院卒・スパイス料理研究家の「好きを仕事にする方法」

印度カリー子(スパイス料理研究家、タレント)

2022年04月12日 公開 2022年04月13日 更新

働き方の多様性に注目が集まる昨今。SNSを中心に、好きを仕事にする風潮が高まりをみせている。

とはいえ、単なる趣味からお金をもらう仕事にまで昇華するのは生半可なことではない。どういう考え方をして、何をすれば極められるのか?そのヒントを探るべく、大学生時代に好きが高じて起業したスパイス料理研究家兼タレントの印度カリー子さんに、スパイス料理を極めるまでの道のりをインタビューした。(取材・文=村田理江)

 

失敗して気づいた。「私はまだ、スパイス料理について何も知らない」

――現在、25歳という印度カリー子さん。そのキャッチーなネーミングとは裏腹に、東京大学大学院卒、JAPAN MENSA会員と、一般人からみるとその華麗な経歴に度肝を抜かれます。

そんないわゆる"頭のいい人"は、どんな考え方をして、好きなスパイスカレーを仕事にまで昇華したのでしょうか。まずはスパイス料理にハマったきっかけから教えてください。

【印度カリー子(以下、カリー子)】大学1年生の終わり頃、同居していた姉のためにスパイスカレーを作ったのが始まりです。

「難しそう」と思っていたら、驚くほど簡単! 玉ねぎ、トマト、にんにく&しょうが、お肉と少しのスパイスを合わせるだけ、という単純な構造だと知りました。また、具材次第でバリエーション豊富なこともハマってしまった理由だと思います。

スパイスカレーに出会うまでの私はすごく飽きっぽくて、何かに興味をもっても1週間と続かない。それが、「すごいものを見つけてしまった!」と、ダイヤモンドの原石を見つけたような感覚に陥りました。そこから一気にカレー作りにのめり込むのですが、なかなか平坦な道ではなかったですね。

実は、2回目に作ったときは失敗してしまって。1回目のカレー作りはとても慎重だったんですよ。誰かのレシピをそのまま踏襲して、よく読み込んで、丁寧に工程を追いながら作ったから美味しくできた。

2回目はそれに気をよくして、「だいたいこういう感じで作ればいいんでしょ?」と自己流で調合したら、カレーとはぜんぜん違う別物ができてしまった(笑)。完全に慢心です。もともとレシピをしっかり読んで料理を作るタイプでもなかったですし、たいていの料理ならきちんと計量しなくても美味しくできると思っていたので。

そのあと立て続けに2回くらい失敗した段階で、「私はまだ、スパイスカレーについて何も知らない」ということを知るわけです。

 

必要なのは知識。スパイス料理の全体像を知ることからスタート

――料理好きならついやってしまう、自己流のアレンジが失敗の原因だったんですね。ソクラテスのいうところの「無知の知」=知らないことを自覚するところから、具体的にどんなことをされたのですか? 

【カリー子】そこからは、勉強と一緒です。実践のまえに私には絶対的な知識量が不足している。「これは教科書を買う必要がある!」と考えて本を読み漁りました。スパイス料理やインド料理の本など、日本で出版されているありとあらゆる本を図書館で借りてきて、ひたすら読む毎日。

ここで知りたかったことは、まずは全体像です。インド料理やスパイス料理の世界にはどんなレシピが広がっているのか。そしてなぜ全体像を知ろうとしたのかというと、いったいどれだけの種類のスパイスがあって、そのうち使われているのはどれくらいで、さらに必要最低限なスパイスはどれなのか、それが知りたかったからです。

例えば、膨大な量のレシピ本を読んでいると必ずチキンカレーが出てくるのですが、そのうち、複数のチキンカレーに共通して使われるパイスは限られている、ということがわかってくるんですよ。

これが1つのレシピしか読んでいないと、例えば10 種類のスパイスが出てきたら、10種類すべてが必要だと感じてしまいます。でも、いくつかレシピを見比べると、出てくるスパイスもあれば、出てこないスパイスもある。

そうすると、チキンカレーに最低限必要なスパイスはこれとこれで、その他はプラスアルファの香りづけの要素なのだな、ということがわかる。同時に、必要最低限のスパイスというのは絶対にアレンジしてはいけない、ここをアレンジすると失敗の要因になるな、ということもわかるわけです。

チキンカレーを作るのに最低限必要なスパイスというのは、ターメリックやクミン、コリアンダーであって、それ以外のスパイスは基本的になくても作れるもの。こういったアプローチの仕方で、このスパイスカレーを作るには何が必要で何が必要でないのか、自分なりに整理しながら知識を身につけていきました。

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知識をインプットしたら、ひたすら実践で経験値を上げる!

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