副業には2つの種類がある
副業ライティングをはじめ副業全般にいえることですが、稼ぐためには「2種類」の副業があります。
2つの種類を上手に活用することで、より稼ぎやすい高単価の案件を獲得しやすくなります。
これは、小山薫堂氏が著書で書かれていたことなのですが、私は大変意味のある考え方だと感じました。以下に引用します。
“こんなふうに、仕事には、きっかけをつくるための仕事と、それだけで完結させて結果を出す仕事と二つがあるんだと思います。僕は仕事を始めた当初から、この二つを意識していました。自分の実績をわかってもらえるような「名刺になる仕事」と、「お金をもらうための仕事」とを、分けて考えていたかもしれない。そういう、いわば修業時代を経て、今は、比較的自分がやりたい仕事を中心にやっています。“(『考えないヒント』著・小山薫堂、幻冬舎)
放送作家という枠に収まらない、小山薫堂さんのような大きな仕事を私たちはしていませんが、副業ライティングにおいても自分のやりたい仕事を中心にできるようになるためには(できるだけ好きなことで稼げるようになるためには)、2つの種類を意識して案件を請ける必要があるのだと思います。
私の経験としては、次のように分けて案件を請けるようにしていました。
●名刺になる仕事
文字単価は安くても、依頼主の名前が業界内で有名。「○○さんの仕事をした」と言うと簡単にわかってもらえて信頼も得やすいので有利。
●お金をもらうための仕事
今月必要な収入を得るためにライティングする案件。できるだけ自分が得意だったり好きだったりすると短時間で稼ぎやすい。
また「商売」ではなく「ビジネス」をしていると感じられた依頼主は、継続性があり単価アップ交渉しやすい傾向が強い。
がむしゃらに副業ライティングの案件をこなしても稼げない。そんな人は、2種類に分けて考えていないからだと思います。
自分の中で線引きして2 種類に分けて請けましょう。
特に最初の頃は、機会があれば安くても名刺になる仕事を請けたほうが後々楽になります。
燃え尽きない工夫を準備しておこう
どんなに文章を書くことが好きでも、どんなに他の人よりも得意でも、いくら書けば書くほどお金になるからといっても、ずっと続けていれば誰でも燃え尽きてしまいます。
単に「疲れたな」というくらいの燃え尽き感ならいいのですが、激しく燃え尽きると、好きだったライティングが嫌いになることも。
こうなると復活するのは難しいため、予め逃げ場所(リフレッシュする方法)を準備しておく必要があります。
<逃げ場所の工夫(1)~ネットから逃げる>
インターネットに接続できる機器から逃げましょう。インターネットは燃え尽きかけているときに触れると、ネガティブ情報ばかり目で追ってしまい、心身ともに「がっくりとくたびれる」結果を招きます。
<逃げ場所の工夫(2)~英気を養う>
人によって養い方はさまざまです。効果的なのは、普段とは違った場所へ行って、何もせずに景色を眺めていることですね。家から近いところでもいいので、あらかじめ自分がリラックスできる場所を見つけておきましょう。
私の場合は、バイクで林道へ入っていきます。自然の空気や木々の間から差し込む日差しを見ているとリラックスできます。
<逃げ場所の工夫(3)~余暇の意味を確認する>
『余暇と祝祭』という本があります。内容は難しいのですが、私は燃え尽きそうになったときには、次の一説を繰り返し読むようにしています。
"余暇には本来、何か不思議でとらえがたいものに対する朗らかさがある。そこには「宇宙の神秘を認め、ことがらをその成り行きにまかせる、全面的な信頼の態度」が含まれる。働くために休むのではない。神からの贈り物として余暇を受け取ればいい。"(『余暇と祝祭』著・ヨゼフ・ピーパー、講談社)
燃え尽きそうになる人は、休むことに罪悪感を持ちがちです。
でも、「休むことは必要だ」ということを理解するだけでも燃え尽きから遠ざかれます。
以上が、ライティングで稼ぐための「5つの基本法則」です。今現在、副業ライターとして活動している人も、これから始めようと考えている人も、ぜひ参考にされてください。
【日比野 新 (ひびの しん)】
─ライター/システムエンジニア・プログラマー/DXプランナー。1968年生まれ。京都府出身。高校卒業後、SE・プログラマーに。以後、34年間ソフトウェア開発業務全般を行う。
─2015年、IT業界での働き方や収入に疑問を持ったことで、仕事とは別に収入を得る方法を模索。偶然出会った「セールスコピー」をきっかけに学習をはじめ、副業ライティングをスタート。
─現在は、書籍やデジタルマーケティングに関わるライティング、ECやホームページへの集客・販売向上アドバイスを行う。また、企業向けにDX化のアドバイスや支援も行っている。