しんどい努力を続けてない? 精神科医が教える「心を消耗させない5つの習慣」
〈ヒント5〉理想の自分像を高くしすぎない
人間誰しも「こんな人になりたい!」という理想像があると思います。そして「『理想』というからには」と、かなり高めにその目標を設定しがちですが、欲張らず、できる範囲で目標を設定したほうが後々成長できるということはご存じでしょうか?
人間は目標を達成できると自己肯定感が上がります。しかし、その目標がとてつもなく高いと、目標を達成することは当然難しくなります。高すぎる目標は「これはどうがんばっても無理……」と、挫折を生みやすくするのです。挫折を繰り返せば「自分っていつも口先だけだな」「最後までやり遂げたこと無いな」と自己肯定感が下がってしまいます。
人生は山登りと同じ。初登山でいきなりエベレストを目指せば必ず失敗しますよね。まずは自宅の近くのハイキングコースからはじめ、徐々に登る山を高くし、装備を整え、経験を積むようなイメージで自分の目標を立てましょう。
「がんばる」「努力する」も否定しなくていい
ここまでの話を読んで、「『努力し、がんばって、苦労するほうがいい』という考えは、もしかして間違っていたのかな?」と、あなたの心に少しでも疑問が芽生えたでしょうか? 「もう全部知っているし、やっていた」という人もいるでしょうし、「すべてが寝耳に水」という人もおられるでしょう。
私自身も、すべてを理解し、実践できていないからこそ何度も繰り返し文章にしたり、口にしたりしています。そして、「人生において、いかにラクに、手を抜き、効率よく最大の成果を上げるかを考えることは悪いことじゃない!」と自分に日々刷り込んでいます。
一度ついた思考の癖(がんばらねば、努力せねば、怠けてはいけないなど)は、なかなか心から抜けません。しかし、こういった自分を律する思考は、いざ困ったときには大きな武器になります。
ただし、武器を常に片手に持ってウロウロしていれば、当然自分も疲弊したり怪我をしたりしてしまいますよね。
武器はいざというときのために取っておき、ラクな気持ちで毎日を過ごしたいですね。