必要なのは、管理ではなく「規律」
規律とは、その集団で働く上で、必ず守るべき基準を意味する。
「就業時間中は一生懸命働く」「立場や職階の上下関係はきちんと保つ」「理念に従って行動する」といった、組織人として当然の行動だ。
経営者が守るべき規律もある。「従業員の安全を守る」「労働に対して公正な対価を払う」などだ。経営者がサボるなど、論外だ。
互いが規律をきちんと守れているならば、プロセスを監視する必要はない。そこは部下自身に一任し、成果や結果だけをチェックすれば良い。規律がないから管理が必要になる。
ジム・コリンズは『ビジョナリーカンパニー2』(日経BP)で、これを「規律の文化」と呼んでいる。規律の文化があってはじめて、厳しいお客さまのニーズに応える仕事ができるし、社員同士の信頼関係も保てる。
馴れ合いにも管理にも堕さない組織づくりは、経営者がもっとも注力すべきところである。