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生き方

甘え下手な人が「他人と距離を縮める」ための考え方

有川真由美(作家/写真家)

2022年09月05日 公開 2022年11月10日 更新

同僚や友人といまいち距離が縮まらないのは、人に頼ることが苦手な"甘え下手"だからかもしれません。自身も甘え下手だったという有川真由美さんが実践した、他人と打ち解けるコツを紹介します。

※本稿は、有川真由美 著『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「持ちつ持たれつ」がいい関係をつくる

あなたのまわりには、人に頼ることが苦手な"甘え下手"な人はいませんか?

かつての私もそうでした。頼ることで相手に迷惑がられて嫌われてしまうのではと、苦手なことも、むずかしいことも、頑なに一人で抱え込んでいました。

でも、じつはまったく逆。頼ることで、好きになってもらえると気づいたのです。

人は頼られると、うれしく、その気持ちに応えようとします。その人のためになにかをすることで、「労をかけるほど好きな相手」として頭にインプットされるのです。

"甘え下手"だった私が、気軽に頼みやすくなった【甘え上手になるコツ】を紹介します。

(1)小さなことを、ちょこちょこ頼る

頼ることは、相手を信頼して、心を開いているというメッセージ。"信頼"とは、信じて頼ることなのです。「ちょっと手伝って」「話、聞いてもらえる?」「教えてください」など頼ることが、好意のキャッチボールになり、信頼関係を築くことになります。

「助けてくれる同僚」「相談できる友人」「教えてもらえる先輩」などの信頼関係は、頼っていくうちに、自然とできていくものです。

(2)なにかしてもらったら、思いっきり感謝する

頼ることは「ありがとう」を言うための布石でもあります。感謝されると、「自分を認めてくれる相手」として、さらに好意をもちます。

そのときだけでなく、「昨日はありがとうございました」「この前はほんとうに助かりました」と二回以上、感謝しましょう。「そんなによろこんでくれるなら、また力になろう」という気持ちになるものです。

(3)自分からも、できることをする

頼るだけでなく、「それは私がやっておきます」「それなら任せて!」など積極的に引き受けることで、"持ちつ持たれつ"の関係に。双方向でいい影響を与えあう関係が、キズナになり、自分の居場所になるのです。

ただし、「すべてギブ&テイクで」というケチな損得勘定ではうまくいきません。「してもらったことは忘れない。してあげたことはさっぱり忘れる」という心構えでいたほうが、気軽に声をかけて頼んだり、頼まれたりする関係になるはずです。

 

「お願い」より「相談」する

人と打ち解けるのが苦手、"キズナ"と呼べるような親しい間柄になるのが苦手という人におすすめしたいのは、「相談すること」です。お願いしたいことがあるときも、あえて「困っています」という"相談"にしてしまうのです。

たとえば、上司に「仕事を減らしてほしい」と頼むより、「家庭の事情で定時に帰りたいが、仕事が終わらなくて……」と相談したほうが、親身になってくれるでしょう。

"お願い"は、一方的な押しつけで対峙する関係ですが、"相談"は一緒に考えてもらえる味方のような関係。立ち位置がまるで違うのです。

人の心理として、相談に乗ると親近感が湧くようになっています。自分に心を開いて頼ってくれている相手には、「話を聞かねば」「守ってあげなければ」となるのです。

また、相談のほとんどは、「相手になにかしてほしい」ではなく、「ただ話を聞いてほしい」「自分でなんとかするけど、アドバイスや意見がほしい」というものです。

私はラジオのテレフォン人生相談をよく聞くのですが、それもそのひとつでしょう。

「嫁姑問題で悩んでいて……」「パートナーが浮気をして……」「リストラされて……」といった他人の悩みに、人生の師たちが賢明で愛情のある助言をするのは、痛快なほど。

ラジオでなくても、身のまわりに「この人ならどう考えるだろう」と話したくなる人がいるはずです。私も、そんな人が、悩みのジャンルごとに何人かいます。

生活や人生の問題をすべて自分で解決するのは、限界があります。相談して心が軽くなるのは、重い荷物を少しだけもってもらえる感覚があるからでしょう。そして、だれかに知恵を借りたり、見守ってもらえたりすることが、キズナになっていきます。

相談して、感謝して、経過を報告して、自分の人生に関わってもらいましょう。

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どんな場所でも、どんな立場でも、声をかけ合う関係になれる

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