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ニートは家庭の問題? 子どもの自立を阻んでしまう“親の勘違い”

奥田健次(専門行動療法士、臨床心理士)

2022年08月03日 公開 2022年08月16日 更新

 

人間の親は子どもの翼の羽をむしりとってしまっている

最近は、「いつまでも家にいていいよ」とか、ひどい場合は「ずっと家にいて」と、パラサイトをうながす親も増えていると聞きます。

子どもの成長に合わせ、親は段階的にかかわり方を変えて接していかなければいけないのに。これでは親が子どもの成長の邪魔をしているようなものです。

大人になったら、自分で仕事を探して、稼がないと生きていけないんだということを、親は教え込まなければなりません。

鳥にニートはいないでしょう。翼がはばたけるほど大きくなったら、自分でえさを探しに飛び立ちます。人間も同じです。自分の力で家から飛び立って、楽しさも危険もある広い世界を知ったほうが理にかなっているのです。

5歳の頃から口癖のように言っていれば、15歳になった頃には、1年に1回言うだけでも大丈夫になるのです。成人年齢が18歳に引き下げられたので、「成人したら家からでてけ」という言い方でもいいです。

 

親は無条件に子どもの言いなりになってはいけない

昔からいるのが、「医者になりたい」とか「弁護士になりたい」などと言う子どもに、何年も浪人を許す親です。現役で落ちて、「お願い、もう1年だけ挑戦させて」と土下座され、許してしまいます。

「あの子はあんなにがんばってるんだから、きっと今度こそ力を発揮できるはず」。そう信じて応援します。

でも次の年も落ちたとします。また、子どもが目をうるうるさせて「もう1年だけ!」と言うと、無条件に許してしまう。それが続いて、結局7浪。

「もう1年だけ」が7連続しているわけです。とうとう最後は自暴自棄で、就職もせず、ぶらぶらと家にいることになります。そういう親子を私はこれまで何組も見てきました。

そもそも親がカンちがいしているのです。「人間、がんばれば、何かになれる」と思っています。ちがいますよ、何にもなれないんです。

本当は、親がそれを子どもに教えないといけません。「浪人することがだめ」と言っているわけではなく、無条件に子どもの言いなりになってしまうことに問題があるということです。

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