「最初の3年」が、部下の将来を決める?
そんな私でしたが、「とりあえず任せてみる」と決めました。すると、辞めたいと言っていた部下がドンドン成長し、5年たてば組織の中核となり、嬉しいことに10年もたつとリーダーとなりました。
今や自分で会社を興して軌道に乗せている人、会社に残って幹部として活躍する人...その活躍は様々です。
でも、もっと嬉しいのはメンタルダウンしたり、辞めた部下がいなかったことです。もちろん、いずれの場合も、彼らのポテンシャルによるものが99%だとは思いますが、1%くらいは私も貢献したかもしれない、と自負はしています。
実際、リクルートワークスのこんな調査報告があります。(※1)
最初の3年が肝心で、その時に「上司が部下に、厳しい仕事を任せなかった」ために、4年目以降の成長を遅らせてしまっている、と。
この調査報告は、早い段階で「どんどん任せていけ」ということを示唆していると言えるでしょう。
また、ある経済雑誌に、こんなインタビュー記事がありました。当時、プロ経営者として注目を浴びていた原田泳幸氏(日本マクドナルド、ベネッセホールディングスなどの社長を歴任)のコメントです。
「まだ、早いと言い、部下に仕事を任せない店長は害でしかない」
強烈な言葉ですが、意味することは同じです。むしろ、任せたほうが、部下も成長する、これだけは間違いなさそうです。
※1:リクルートワークス研究所「入社後3年間の上司が与える影響(2010年調査)」
「マイクロマネジメント」が、部下のチャレンジ精神を奪う
マイクロマネジメントという言葉をご存知でしょうか。細かく部下に指示をしすぎてしまう状態のことを言います。
「わかっていると思うけど、翌朝までに、この箇所に記入をしておいてね」
「企画書ができたら、事前に見せてね。間違いがあったらいけないからね」
「お礼の手紙は、すぐにださなきゃダメだよ」
「できていないとダメだからね」と言っているわけですから、やさしそうな表現であっても、言われたほうは、かなり窮屈に感じてしまいます。窮屈なことを好む人は、そうそういないでしょう。
だから、自分で考えることが好きな人や、自由さを求める人ほど、マイクロマネジメントをされると、会社を辞めたくなります。言うなれば、過干渉の親の元を飛び出したくなる子供と一緒と考えるといいかもしれません。
でも、部下が一人前でない場合もあります。だから、気になるわけです。では、どうすればよいのでしょう。