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日本最高齢115歳・巽フサさん 「長寿の秘訣である口癖」とは

柴谷匡哉(元大阪府議会議員、社会福祉士)

2022年09月17日 公開


※写真はイメージです

人生100年時代と言いますが、「110歳を超えた人=スーパーセンテナリアン」となると、一握りになります。柴谷匡哉氏が運営する老人ホームに入居している、日本最高齢の巽(たつみ)フサさんのエピソードを通じて、スーパーセンテナリアンの健康習慣を探ります。

※本稿は、柴谷匡哉著『施設長たいへんです、すぐ来てください!』(飛鳥新社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

認知症にはなりたくない! そのために必要な習慣は?

私が行っている認知症予防の講演会では、多くの方々からこんな声をよく聞きます。

「正直、年老いて何もわからなくなって生きていくなんて、嫌だ!」
「人様に迷惑をかけながら生きるなんて考えたくない!」
「誰の世話にもならずポックリ死にたい!」

「老い」と「死」を考えるなかで、1人でも多くの方に最後まで自分らしく生きてもらいたいというのが私の願いです。それでは長寿で元気な人はどう暮らしているのでしょうか。

人生100年時代と言いますが、それでも人は誰でも寿命を迎えます。寿命が長いほど幸せとは限りませんが、多くの人にとって寝たきりや認知症にならず、健康で長く生きられることは理想ではないでしょうか。

医療技術の進歩や健康保険制度など、いろいろな要因で男性・女性とも平均寿命が延び、世界一の長寿国となった日本。長寿の方々の中でも110歳を超える人を「スーパーセンテナリアン」と呼び、現在その存在が注目されています。

1000人のセンテナリアン(100歳以上の人)あたり約1人がスーパーセンテナリアンと言われています。2010年に行われた調査によると、最も知られたスーパーセンテナリアンがいるのはアメリカ合衆国、日本、イギリス、フランスそしてイタリアだそうです。

日本には現在、100歳を超える方が8万6000人以上います。1963年のセンテナリアンは全国で153人でしたが、2021年には8万6510人となり、この数は年々増加傾向にあります。58年間でセンテナリアンは実に約565倍になっています。センテナリアン全体のうち、およそ90%は女性です。

 

日本最高齢の巽フサさんは世界でも3位!

当法人の特別養護老人ホームに入居されている巽フサさんは、1907年4月25日生まれの現在115歳。日本およびアジアで最高齢、世界で3番目の長寿です。

歴史で習ったことがある、日露戦争の3年後に生まれ、同年生まれの著名人には、物理学者の湯川秀樹や詩人の中原中也、歌手の淡谷のり子らの名前が並びます(敬称略)。

巽さんは99歳のときから、当法人のデイサービスを利用し始め、その後ショートステイ、そして106歳のときから特別養護老人ホームに入居されました。

趣味は、菊作りとカラオケ、施設では川柳、千羽鶴折と、頭や手先を使うことが得意で、車いすに乗りながらラジオ体操もされていました。また、100歳を超えても水を毎日1ℓ飲む習慣があり、入居されてからもペットボトルとコップを居室の手の届くところに置いておられました。

110歳でも自分で食事や化粧をすることができ、スタッフと会話を交わすこともできました。113歳の誕生日には、私が「お誕生日おめでとうございます」と声をかけると、大きな声で「ありがとう」と元気に答えられました。

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口癖は「ご飯まだでっか?」

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