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タバコ、柔軟剤、防水スプレー...家庭に潜む「猫に危険なもの」とは?

宮下ひろこ(獣医師)

2023年03月23日 公開 2024年12月16日 更新

 

犬の鳴き声防止や猫よけグッズの影響は?

宮下ひろこ

犬の鳴き声を防止するためや、家に侵入する野良猫による被害を軽減するために、超音波や高周波が出る機器を使用している人がいます。

ときどき庭先に超音波の猫よけ機が設置されているのを見かけます。猫が不快に感じる周波数らしいのですが、人の子どもやまれに大人にも聞こえるようで、敏感な人の場合は体調不良を訴えるケースもあるようです。 

実際に外猫の糞尿で困って機器を設置したところ、効果があったという話を聞きました。ただそのあと、近所から耳障りで眠れないと苦情が来たそうです。 

猫よけ機が実際のところどれくらい健康被害を及ぼしているかはデータがないのでわかりませんが、人でも不調を訴える人がいるくらいなので、猫にも何らかの影響があると考えたくなるのは自然な感情でしょう。

病院に行っても原因がよくわからない猫の体調不良があるときは、もしかしたら家の周りで使用している人がいるのかもしれないと思ってしまう気持ちはわかります。ただ立証するのは難しく、こればかりは、原因究明がたいへん困難です。

はっきりしていないのに、うかつに問いただすことで関係性が壊れ、ご近所とのトラブルにも発展しかねません。相手からしてみたられなきクレームでしかないかもしれないので気の毒です。

例えば、マンションなどの場合、管理組合などに相談したり、匿名での投稿という手段で全体に向けて告発することで、使用していたとしてもひっそり取りやめる人がいるかもしれません。悪意なく使用している人もいたでしょう。

行政機関に相談してみるのもよいかもしれませんが、因果関係がわかっていないぶん、動いてもらうのは難しいかもしれませんね。まずは猫さんの回復を最優先に獣医師に相談し、体調改善に努めましょう。

ちなみに私は、犬の鳴き声防止用機器などの使用は犬のためにもおすすめしません。防音カーテンなどのアイテムや、しつけ教室での解決を検討してほしいですね。

 

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