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SNSは“自己満足”に徹する...安定したメンタルが保たれる3つの習慣

よでぃ

2025年03月21日 公開 2025年03月24日 更新

SNSは“自己満足”に徹する...安定したメンタルが保たれる3つの習慣

X(旧Twitter)にて「日々の生きづらさのモヤモヤを言語化」するポストが注目を集める、よでぃさん(yod_blog)。大学卒業後、フリーランスとして働く中でうつ病を発症し、人生のどん底を経験されたといいます。

そんなよでぃさんが心を軽くするために取り入れる行動や習慣とは? ご著書『明けない夜があるのなら夜更かしを楽しめばいい』より、メンタルを安定させるためのヒントを紹介します。

※本稿は、『明けない夜があるのなら夜更かしを楽しめばいい』(KADOKAWA)の内容を一部抜粋・編集したものです。

 

無駄な時間も楽しむことが人生の醍醐味

・以前に比べて集中力が続かない
・疲れているはずなのにぐっすり眠れない
・新しいことにチャレンジする気がわいてこない
・仕事も趣味も、なんとなくやる気がなくなってきている

精神科医の川野泰周氏によると、これらに心あたりのある人は、「脳疲労」の可能性があるという。予定を詰め込みすぎてキャパオーバーになっていないか、普段の生活を一度見直してみてほしい。

「時間を無駄にしないようにしなきゃ」

そう考えて、自分自身を追い込んでしまう。休日でも何かしらの予定を詰め込んで、何もしていないとうっすらとした焦燥感に付きまとわれる。

家の中にいても「あれやらなきゃ」「これやらなきゃ」と、頭の中が大忙し。

そんな日常を送ってはいないだろうか。

生産的な行動をとることや物事を効率的に進めることは、毎日に充実感を与えるが、日常生活においても度を超えて生産性や効率化ばかりを追い求める生き方は、身体だけではなく「脳」を疲弊させる。その脳疲労こそが、かえって人生の質を下げてしまう原因となるのだ。

僕もかつて無駄な時間を過ごす自分が許せない時期があった。フリーランスとして活動することを目指していたころ、僕はいかに生産的な時間を過ごせるかに躍起になっていた。

一分一秒でも時間があれば本かパソコンを開き、趣味や娯楽にうつつを抜かすこともなくなった。その結果、休息不足のストレスが一つの要因となり、僕はうつ病を患った。

うつになった当初は、行動を起こす気力が湧かず、頑張りたいことを頑張れなくなったことが苦しかった。

時間を無駄にしていることで、強い焦燥感に襲われた。

けれどある日、悩みが一周まわって吹っ切れた僕は、こう考えるようになった。

「一度きりの人生、無駄な時間も楽しんでやろう」

そうして僕は、無駄だと考えていた時間を思う存分に楽しむようになった。敬遠していたアニメをみたり、漫画を読んだり。

目的地も決めずにぷらぷらと散歩をしてみたり。公園のベンチに寝転んで、ぼーっと雲を眺めてみたり。すると、いくつもの新しい発見を得ることができた。

アニメや漫画で主人公が活躍しているシーンをみて、自分も頑張ろうと奮い立たされた。目的地のない散歩は、自分が知らない世界がまだまだたくさんあるという事実を教えてくれた。

ぼーっと雲を眺めていると、思考がスッキリと整理され、より自分自身と向き合えるようになった。

無駄な時間だって、無駄ではない。無駄な時間も楽しむことこそ、人生の醍醐味。

そう気付くことができた。

行動的に生きることは、確かに大事なことだ。だけど、ときに無駄な時間を過ごすことにだって意味はある。

生産的な時間だけではなく、無駄な時間も楽しめるようになれば、より深みのある人生を歩むことができるようになる。

人生は長い。焦らずに肩の力を抜いて生きていこう。

<無駄のない人生なんて、味のしない料理みたいなものだ>

参考文献:川野泰周『精神科医の禅僧が教える心と身体の正しい休め方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2018年)

 

散歩はメンタルを安定させる最強習慣

僕は悩み事が生じてしまったときは決まって散歩に出かける。よく晴れた日に外の世界を歩いていると、確かに心がスッキリとする感覚を味わうことができる。

アメリカの作家、デール・カーネギーが言った、

「悩み事は、散歩して忘れ去るのが一番だ。まあちょっと外へ出てみたまえ。ほら、悩み事なんか、翼が生えて飛んでいってしまう」

この言葉通り、モヤモヤしたときは外の空気を吸いに出てみるのも一つの手かもしれない。

僕が散歩を習慣にするようになったきっかけは、うつ病を患ったことだ。こころのお医者さんに「うつ病を治すためには、朝の散歩が効果的です」と教わり、それを実践し始めた。

最初は外に出ることさえもしんどさを覚えたが、だんだんと歩くことに気持ちよさを感じられるようになった。

それに伴い、前向きな気持ちが湧くようになり、うつ病の症状も少しずつ回復していった。

散歩は、特にネガティブ思考に陥りがちな人に取り入れていただきたい習慣だ。家の中という狭い空間から飛び出して、外の世界を歩いていると、より広い視野で物事を俯瞰的に考えることができるようになる。

一度考え事を始めたら、それがどんどん悪い方向に暴走していってしまうような、そんなネガティブ思考の連鎖を断ち切ることができる。悩み事がきれいさっぱりなくなるとまでは言わないまでも、心のモヤモヤが軽減される実感を得ることはできるだろう。

また、散歩はメンタルの安定に効果が絶大であることがわかっている。日中に散歩をして日光を浴びることで、脳内で「幸福物質」と呼ばれるセロトニンというホルモンが分泌される。

このセロトニンの分泌によって、次のような効果が期待できる。

・ストレスや疲労の軽減
・うつ症状を抑える
・自律神経の調整
・睡眠の質の向上 など

まさにセロトニンは、天然の精神安定剤といえるだろう。散歩をするタイミングとしては、朝起きてから1時間以内に、20分前後の朝散歩をすることがおすすめ。

樺沢紫苑氏『精神科医が教えるストレスフリー超大全』では、「起床後1時間以内に、15〜30分の散歩を行う」ことが朝散歩の基本方法として紹介されている。また、30分以上散歩してしまうと、セロトニン神経が疲れて、かえって効果が薄まってしまうため注意していただきたい。

樺沢氏によると朝という時間帯もポイントで、できれば10時までの午前中に散歩をすることも推奨されている。

ちなみに僕はこの朝散歩だけではなく、夜にもよく散歩をする。好きな音楽を聴きながら、街が眠りにつく瞬間を見届ける。

自分の世界に入り込み、理不尽な現実との戦いで傷ついた心をリフレッシュさせてあげる。そして、自分の気持ちに整理をつけることで、また明日からも頑張ろうという意欲が湧いてくるのだ。

とはいえ、気力や体力がないときに、無理に散歩に出かけようとするのは逆効果になる場合もある。

いつだって最優先は、無理をしないこと。頑張るのは、頑張りたいと思ったときだけでもいい。

しかし、一度散歩のよさに気付くことができれば、それはあなたの日常の一部へと溶け込むことだろう。

自分のペースで、ぜひ歩くことを楽しんでみてほしい。

<家で悩むな。外に出て悩め>

参考文献:
ドロシー・カーネギー編、神島康訳『カーネギー名言集<新訳版>」(創元社、2000年)
樺沢紫苑『精神科医が教えるストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』(ダイヤモンド社、2020年)

 

ネガティブ沼に飲み込まれないためのSNSとの向き合い方

現代を生きる人々にとって、SNSは切っても切り離せない日常の一部と化している。しかしSNSは、人のメンタルが乱れる大きな要因の一つであることをご存じだろうか。

ネガティブなニュースがながれてきて、自分までもがネガティブな気分になってしまったり。自分よりも充実していそうな他人の人生を見せつけられて、強い劣等感を抱いたりしてしまうこともあるだろう。

しかし、SNSはやめたくてもそう簡単にはやめられないのがまた悩みどころである。SNSを見ていないと、まるで自分だけ世界から取り残されているような感覚に陥ってしまう。くわえてSNSは、最も手軽に刺激を得ることができるツールでもある。

仕事や人間関係で疲れきって何もする気力が起きなくなったときでも、SNSを見ることだけはできるという現象を経験したことがある人は多いはずだ。

だから僕は、「SNSはやらない方がいい」なんて押し付けがましいことは言わない。SNSは見てもいい。

大切なのは、SNSとの向き合い方を工夫すること。そうすることでネガティブな気分に飲み込まれることがぐっと減る。

ぜひ次に紹介する方法を今日から試してみてほしい。

① 否定的なコメントをしない。反応もしない。

これは「誹謗中傷はよくない」というだけの話ではなく、あなたのメンタルを守るためにも重要なことだ。誰かの投稿に対して否定的なコメントをすると、高い確率でまた他の誰かから攻撃的なコメントをぶつけられる。また、自分あての過激なコメントに対して否定的な言葉で反応しても、余計に相手をヒートアップさせてしまうだけだ。

それらがたとえ画面上の文字の羅列のやりとりに過ぎないとしても、あなたの心は確実にダメージを負ってしまうため、注意が必要だ。

② 「見たくないものは見ない」というスタンスを徹底する。

ネガティブなニュースや、見ていて劣等感を抱いてしまう他人の投稿は、ながれてきてもすぐにスルーをすること。

どうしても気になって見てしまうという人は、自分のタイムラインにその人の投稿がながれてこないようにする「ミュート機能」を活用するのもいいだろう。「ブロック機能」とは違って相手に通知がいかないため、見たくないものは心のままにばんばんミュートしていこう。

③ 好きなものに触れるツールとしてSNSを利用する。

可愛い動物の投稿や、好きなアイドルに関する投稿など、見ていてポジティブな気持ちになれる投稿でタイムラインを埋め尽くせば、SNSはむしろ日常を彩る手段として利用することができる。

実際に僕は推しの配信者のアカウントや、イラストレーターさんのアカウントなど、自分の好きな人のみをフォローする「趣味アカウント」をつくって楽しんでいる。画面をスクロールしているだけで幸せな気分になれるので、推しがいる人はぜひ真似してみてほしい。

④ 「他人からの評価」よりも「自己満足」を重視してSNSを利用する。

他人にどれだけ「いいね」をもらえるかどうかに縛られると、数字次第で自身の情緒が左右されてしまう。それよりも、自分がどんな投稿をしたいのかに着目することで、SNSを楽しむ余地が生まれるのでおすすめだ。

触れる機会が多いSNSだからこそ、できる限りストレスフリーで、むしろ幸せになるような使い方を目指していこう。

<SNSは推しの投稿を眺めるツールくらいに考えよう>

 

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