ハードな状況でも折れない心を鍛えるには? 効果的な筋トレの習慣
2025年06月03日 公開

会社経営者であり、筋トレ愛好家でもあるTestosterone(テストステロン)氏は、「筋トレは、ビジネスや人間関係、メンタル面など、実生活に好影響を及ぼし、人生を最高に楽しくしてくれる」と語る。40代からの人生を好転させる筋トレの威力とは? 本稿では、筋トレが精神に与える影響について書籍『40代からの筋トレこそ人生を成功に導く』より紹介する。
※本稿は、Testosterone著『40代からの筋トレこそ人生を成功に導く』(PHPビジネス新書)より抜粋・編集を加えたものです。
ワンモアレップの精神が、あなたの人生を飛躍的に成長させる
負荷を大きくしていかないと、筋肉の成長は止まる。これを「過負荷(オーバーロード)の原理」と言う。簡単に言うと、筋肉を成長させたいなら楽々とこなせるトレーニングを続けていてはダメということだ。
「もう無理だ......」と限界を感じてから、さらにもう1回挙げることができるのかどうか、ここが成長するかしないかの分かれ目なのだ。筋肉はストレス(刺激)に適応して成長する。つまり、ストレスの強度をどんどん上げていかなければ、成長は止まってしまうのだ。
筋トレ用語に「レップ」というものがある。これは「回数」という意味で、「腹筋を10レップ、3セット」なら、腹筋10回×3セットということになる。10レップやって「もう限界」と思ったとしても、もしあなたが筋肉を大きくしたいなら、もう1レップ挙げる必要がある。限界を突破しないといけないのだ。
限界を突破して初めて筋肉に、「新しいストレスだ。次回は耐えられるように成長しなくては」というシグナルを送ることができる。俺はこの最後のもう一押しを、「ワンモアレップの精神」と呼んでいる。このワンモアレップができるかどうかが、あなたが成長できるかどうかのカギを握っているのだ。限界突破なしに、成長はない。
ちなみに、MAX重量やレップ数を永久に増やし続けることは不可能なので、重量、レップ数、セット回数、挙上スピード、インターバル時間の短縮、可動域の変化など、さまざまな要因を変えることで、常に筋肉に新しい刺激を送り込むことが成長を続けるカギである。
このワンモアレップの精神は、文字どおり、精神力の勝負である。例えば、ベンチプレス。「もう無理......」という状況では、胸と腕、肩の筋力は限界を迎えているだろう。
このとき、あと1レップ挙げるときの力は、胸筋でも腕力でも肩の力でもない。精神力だ。諦めたいと思っている自分と正面から向き合って、逃げ出さずに取り組むしかない。歯を食いしばって最後の力を振り絞るのだ。ここで逃げ出さずに限界突破することで、筋肉だけでなく精神力も劇的に成長していく。そう、ハートもマッチョになれるのだ。筋トレは筋肉だけではなく、精神力も鍛えることができる。
今はハードなことも、楽勝でこなせるようになる
これは人生にも当てはまる。辛くて逃げ出したいとき、「もう無理......」と思うときは誰にだってあるだろう。それがまさに筋トレで言う最後の1レップを挙げるかどうかのタイミングだ。
仕事のプレッシャーに押し潰されそうで逃げ出したいとき、「今日は疲れたから......」と毎日やると決めた資格の勉強をサボろうかどうか迷うとき、もうひと踏ん張りできるかどうか。ここであなたの真価と進化が問われる。
というか、ここからが本番なのである(とは言え、無理しすぎると心身を壊してしまうかもしれないので無謀な無理はやめましょう。これは筋トレでも同じです。だからこそ、ツーモアレップでもテンモアレップでもなく、ワンモアレップの精神なのです)。
限界を突破すること、ワンモアレップの精神で踏ん張ることができれば、まわりの人間とどんどん差がついていく。取引先やビジネスパートナーへの気遣いなら、「え、ここまで気遣いする必要ある!?」という細部にまでこだわりまくる。そこまでしてはじめて、相手に感動を与えられる。
資料作りだってそうだ。細かい部分にこだわることで、他の人と差をつけることができる。それができなければ大勢のなかに埋もれておしまいだ。他人との差をつける最後の一押しこそが、筋トレで言う最後の1レップなのである。すべての分野でワンモアレップするのである。
まあ、考えてみたら当たり前のことだ。ずっと平常運転を続けていれば、それ相応の人生を生きることになる。ぬるま湯の状態から飛び出て、自分を追い込むことで初めて成長できる。
難しいように思えるかもしれないが、一度限界を突破すればこっちのもの。筋トレで言えば、「こんなの無理!」と怖気づいていた重量が、いつのまにかウォームアップで楽々挙げられる重量になっているように、ワンモアレップの精神で生きていれば、今はハードに感じることも、そのうち楽勝でこなせるようになってくる。
大事なのは、すべての分野で少しやりすぎること。ワンモアレップの精神で、ちょっとずつ背伸びし続けるんだ! 辛くなってからが本番だ。辛いときは思い出せ。ベンチプレス、スクワットのラストレップを思い出すんだ。人生でも気合いの追い込みを見せて、圧倒的成長を遂げるのだ。
【Testosterone(テストステロン)】
1988年に日本で生まれ、高校生のときに渡米し、大学を卒業するまでアメリカンライフを謳歌し、アジアのとある大都市で会社を経営して、現在はアジア全域に生息する筋トレ愛好家。高校時代は110kgに達する肥満児だったが、筋トレと出会い40kg近いダイエットに成功する。自分の人生を変えてくれた筋トレと正しい栄養学の知識が広まれば世界はよりよい場所になると信じて筋トレの普及活動に励んでいる。主な著書に「筋トレが最強のソリューションである」シリーズ、『ストレスゼロの生き方』『とにかく休め』(ともに、きずな出版)などがある。
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