パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器は便利ですが、「スケジュール管理は、やはり手帳が一番」「手書きには手書きの良さがある」など、「文具」を愛用している方も多いのではないでしょうか。機能面だけでなく、お気に入りの文具が手元にあると、ちょっと気分が上がりますよね。
2026年6月24日、東京・有明のビッグサイトにて「第35回 日本文具大賞」(第29回 ライフスタイルWeek 夏/主催:RX Japan合同会社)の表彰式が執り行なわれました。その様子をレポートします。
(取材・文:PHPオンライン編集部/次重浩子)
「優れた文具」を4部門で表彰
この賞は、過去1年間でリリースされた新製品・リニューアル製品の中から、優れた文具を表彰するもので、「デザイン部門」「トレンド部門」「サステナブル部門」「機能部門」の4部門があります。
それぞれ優秀賞として3製品が選ばれ、さらにそこから1つグランプリが選出されます。
以下、優秀賞受賞作より、編集部員が個人的に気になった製品をご紹介します。
ちょっとの工夫であのストレスが解消される!「ブックチルト」

「ブックチルト」(カール事務器株式会社)
本好きの編集部員がまず興味を引かれたのは「ブックチルト」(カール事務器株式会社)。「デザイン部門」優秀賞受賞作です。底にちょっと傾斜がついているブックエンドで、この傾斜によって本が倒れないようになっています。これは美しい!考えた人すごいです。向きを変えるとディスプレイスタンドとしても使えるとのこと。デザインもシンプルで、本をインテリアとして飾りたい人にはうれしいグッズです。
筆記ボードがコンパクトに持ち運べる「Mutualミューチュアル 二つ折りクリップボード」

「Mutualミューチュアル 二つ折りクリップボード」(株式会社LIHIT LAB.)
次は「機能部門」優秀賞受賞作。みなさん、クリップボードを使うことはありますか?固い板にクリップがくっついていて、紙をはさんでメモしたりするあれです。アンケート用紙などが挟まっていることが多いですよね。
我々編集者は取材で外に出ることが多いので、このグッズがあれば......と思うこともありますが、なにしろ大きい。その不都合を解消したのが「Mutualミューチュアル 二つ折りクリップボード」(株式会社LIHIT LAB.)です。
その名のとおり二つ折りにできるので、たたむと単行本ぐらいのサイズになります。筆記するときにはスライダーで固定する仕組みになっていて、ボードが折れてしまう心配なし。たたんだときに内側に少し空間ができるようになっているため、書類に折れ目がつかず、本体の下には押さえが付いていて、紙がはみ出ないように工夫されています。細かい配慮がうれしいですね。これなら持ち歩くのにストレスなさそうです。
廃棄ホタテ貝殻をチョークに再利用「ダストレス SEA SHELL CHALK」
「ダストレス SEA SHELL CHALK」(日本理化学工業株式会社)
炭酸カルシウム製の「ダストレスチョーク」は、粒子が重いので粉末が飛散しないのが特徴。今回「サステナブル部門」を受賞した「ダストレス SEA SHELL CHALK」(日本理化学工業株式会社)は、この「ダストレスチョーク」に、廃棄されるホタテ貝殻の微粉末が配合されているのだそう。
試し書きしてみると、書き味なめらか。昔のチョークのような粉っぽさがありません。蛍光色、スリム型、スクエア型など、色や形にもバリエーションがあります。このように昔からある文具も、日々進化しているんですね......。
シール帳づくりなどの細かい作業に便利「スティッキールはさみ ツマムノ」
「スティッキールはさみ ツマムノ」(サンスター文具株式会社)
「トレンド部門」で「なるほど......!」と思ったのが、「スティッキールはさみ ツマムノ」(サンスター文具株式会社)。
たたむとペンのような形状になる「スティッキールはさみ」ですが、受賞作はその先がピンセットになった進化型。なぜはさみの先がピンセットに?と思い、説明書きを読んでみると、「コラージュやデコレーション、シール帳づくりなどの繊細な作業に最適」とあります。たしかに、何かを切ってのり付けするとき、小さなパーツだと手元が狂ってイライラしますよね。かゆいところに手が届くとはまさにこのこと。試しに手元の紙をつまんでみたら、いい感じでつまめました。これは便利!
グランプリ受賞作は、随所に細かい配慮がなされた「スパイラルノート ベーシック」
「スパイラルノート ベーシック」(マルマン株式会社)
そして、今回グランプリを受賞したのが、「スパイラルノート ベーシック」(マルマン株式会社)。見た目は本当に「普通のノート」ですが、めくりやすいリング製本、書きやすさを追求したオリジナル用紙、切り取りが美しい細かなミシン目加工など「つかいやすさを追求した、究極のベーシック」とのこと。表紙はゴールドの箔押しがされていて、おしゃれな「大人の文房具」です。
グランプリを受賞したマルマン株式会社のマーケティンググループ長・内田美佐子氏が登壇し、受賞の喜びを語りました。
「この度大変栄えある賞をいただき、正直驚いております。マルマンという会社は非常に地味な会社で、地味に実直に、毎日真摯にものづくりをさせていただいている企業です。そして、細かな部分までとても神経を遣いながらものを作っています。そんな私たちがプロダクトで栄えある賞を受賞させていただいたことは『やってきたことは間違っていなかったんだ』と実感でき、社員一同非常に励みになります。今後もお客様に使ってよかったと思っていただけるような商品を日々開発していきたいと思います」
審査委員長を務めた女子美術大学副学長の松本博子氏は「エントリーいただいた製品のクオリティが非常に高く、とても楽しく審査させていただいた。これまで『こういう商品だからここはしょうがないよね』と人が合わせて使ってきたところに対し、新しいライフスタイル、新しいジョブスタイルに合わせて、各企業が研究を深められたんだと思います」と語っていました。
今回、日本文具大賞の取材を通じて感じたのは、きめ細やかな「ものづくりの心」です。ちょっとしたストレスを解消してくれたり、些細なことだけれど「こういうものがあったらいいのに」という希望を叶えてくれる。そんな文具を作るため、日々研究・開発している現場の「文具愛」が感じられました。
私たちの知らないところで日々進化している文具。今後もどんな製品が登場するのか、とても楽しみです。
グランプリの盾を手にするマルマン株式会社の内田美佐子氏
受賞製品の一覧はこちら▽
https://www.lifestyle-expo.jp/summer/ja-jp/about/isot/award/winning-products.html







