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女性のための老子<13>希言は自然なり

早島妙聴(一般財団法人日本タオイズム協会理事長/道家<道>学院副学長)

2016年05月15日 公開 2024年12月16日 更新

女性のための老子<13>希言は自然なり

《PHPスペシャル2016年5月号より》

<今月のTAOの言葉>

希言は自然なり

~自分の意思を伝えるには、言葉は少ないほうが良い

 

自然なコミュニケーション

4月は学校や会社で、新入学、人事異動や転勤など、新しい生活へのスタートの季節ですね。職場や家庭など、新たな環境に慣れるには、ちょっとしたことを聞いたり話したりできる知り合いや、友達を作ることが大切です。どこに行っても自然にまわりの人と交流し、会話ができる大切なポイント、コミュニケーションのこつを、多くの人が学びたいと思っていることでしょう。

さあ、そこで古代中国に生まれた世界の名著『老子』にその答えを探してみましょう。無為自然にすなおに生きることを提唱している『老子』は、「希言は自然なり」と教えています。つまり、たくさんしゃべるより、言葉数が少ないほうが、自分の意思は伝わるのだ、というのです。確かに、自分のことばかりをたくさんしゃべる人は、自慢話も多く、あまりいっしょにいて楽しい人とはいえません。

 

言葉は少ないほうが良い

本来、自分の考えを率直に伝える言葉は、それほど多くの言葉を必要としないのです。たとえば、「この前は言い過ぎてごめんなさい」という意思を伝えたいときは、この率直な言葉をまず伝えるべきなのです。それ以外の細やかな気持ちの変化やその経緯を、いいわけのように長々と話しすぎると、かえって、こちらの謝罪の気持ちが伝わりにくくなってしまうのです。

自然で楽しいコミュニケーションをするには、まずは率直にあなたの気持ちを言葉にすることですね。そうすれば、あなたの言葉がすなおな「気」となって相手の心に届くことでしょう。

さあ、この春は、すなおに思ったことをシンプルな言葉で伝える自然なコミュニケーションを目指しましょう。そうすれば、あなたも疲れませんし、聞く相手も楽に聞けて、人間関係がもっと楽しく広がることでしょう。

著者紹介

早島妙聴(​はやしま・みょうちょう)

東京都生まれ。一般財団法人日本タオイズム協会理事長・道家<道>学院学長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に活かすタオイズムの真髄を伝えている。

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