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女性のための老子<9>足るを知れば辱められず

早島妙聴(一般財団法人日本タオイズム協会理事長/道家<道>学院副学長)

2016年01月08日 公開 2024年12月16日 更新

《PHPスペシャル2015年12月号より》

<今月のTAOの言葉>

足るを知れば辱められず

欲張らなければ人生は楽しい

 

足るを知れば家はすっきり

 女性のための老子、今月は44章より、「足るを知る」です。読者の皆さんの中にも、この言葉を知っている方は多いと思いますが、実はこれは世界の名著『老子』の中の言葉なのです。簡単に言えば、必要以上に欲張らなければ、人生楽しく生きられるという真理を解いた言葉です。

 皆さんも、流行に乗って買ってしまったけれど着ない服や、結局あまり使っていない電化製品など、不要なものをつい買ってしまった、という経験があるのではないでしょうか。そして最近では、家が片付かない、荷物の整理ができない、という人のために、さまざまな整理術の本が出版され、不要なものを決意して捨てることが大切だと言われていますが、実は捨てるまえに、より大切なことがあります。買う前によく考えて、もっと欲しいというその「もっと」を、ちょっとやめてみることなのです。これこそが「足るを知る」なのです。

 

もっと欲しい、を放すと幸せ

 誰でも欲しいものは沢山ありますし、物に対する欲望だけでなく、家族や仕事に対する不足、欲望などもあります。たとえば家事を全くしてくれない夫への不満や、勉強嫌いな子供への不満、自分の仕事を評価してくれない上司への不足などなど。人生を生きるということは、探せば毎日限りなく、不満や不足が見つかります。ですが、もしあなたが幸せな人生を望むのなら、この不足の考えをすっかり放(ほか)したらいいよ、と『老子』は教えています。「私の夫、家事はだめでも仕事を頑張ってくれているし」「評価ばかり期待しなければ、仕事は好きだし」「子供は友人が多く明るい性格が特長だわ」というように、ちょっと見方を変えることで、あなたはすっかり陽気になり、楽しく満たされた生活がそこにあるのです。そしてそのことに気づけたら、あなたの人生は、すでに幸せへと大きく扉を開いているのです。

著者紹介

早島妙聴(​はやしま・みょうちょう)

東京都生まれ。一般財団法人日本タオイズム協会理事長・道家<道>学院学長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に活かすタオイズムの真髄を伝えている。

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