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仕事

「いつも締め切りギリギリ」から脱却するための、 先送りしないためのコツ

清水克彦(文化放送ニュースデスク)

2012年01月11日 公開 2022年12月27日 更新

清水克彦

テンプレートをいくつも持っておく

仕事を先送りしないためには、いくつものテンプレート(=ひな型)を持っておくことが肝要だ。

テンプレートはもともと何かを作るときのもとになる定型的なデータやファイルを意味するが、文書などのコンピュータ上のデータだけでなく、仕事自体もパターン化し、あなたなりのひな型を持っておけば、すぐ動くことが簡単にできるようになる。

「新規プロジェクトを依頼されたときの社内の根回しの手順」
「同業他社と共同事業を推進していく際の基本的な工程表」
「商品にまつわるノベルティを製作する場合の業者選定と発注までのプロセス」
「クレームや問い合わせを受けたときの対処方法」

職種にもよるが、日頃、職場で頻発するであろう事態を想定して、これまでの経験を踏まえ、連絡先や担当者名などを明記したものを、たとえばパソコンのデスクトップ上にフォルダなどにして置いておくと非常に便利だ。

私の場合、上司から「新たなワイド番組を立ち上げてほしい」と依頼されたときが、もっとも多くの作業を抱える瞬間になる。もちろんそれらは並行して進めなければならない。

「パーソナリティ(もしくはメインキャスター)をどう選ぶか」「番組タイトルや各コーナーのタイトルはどうするか」「テーマ曲やジングル(=コーナーの冒頭に流すアテンション用の曲)、それに聴取者プレゼント用の番組ノベルティはどこに作らせるか」、そして「放送作家やアシスタントディレクターをどう選ぶか」など、面倒な作業に2~3カ月間は忙殺されることになる。

これらに加え、民放の場合は当然「スポンサーをつける」という作業が発生するため、営業部や編成部といったセクションへの根回しも欠かせなくなる。

こうした場合、それぞれの局面で「あれっ、前はどうしたっけ?」などと考えていると時間だけが過ぎていき、準備が不十分なまま番組改編期を迎えることになるが、「ひょっとしたら、次かその次の改編で、何か任されるかもしれないな」と予め想定し、ひまを見つけてテンプレートを作っておきさえすれば、随分楽に作業を進めることができるようになる。

ちょうどビジネスメールのひな型があれば、宛名や日付を変えるだけですぐに送信できるように、どんな仕事でもテンプレートがあれば、それを応用するだけでいいのである。

初動の際に付きまといがちな不安や重圧、「やらなくちゃ」と思ってはいるものの何となく前向きになれない気分などはかなり払拭される。テンプレートを持っておくメリットはそれだけではない。不測の事態への備えとしても大いに役立つのだ。

「自然災害などによって原材料の搬入が遅れたときのバックアップ方法」
「新型インフルエンザなどによって人手不足が生じた場合の対応策」

このような、いわゆる「もしもの備え」は、言い古された言葉ではあるが、「○○した場合、こう動く」や「○○が生じた場合、こうする」という行動パターンがテンプレート化されていれば、動揺して立ちすくむ時間は短くなり、最初の一歩を踏み出すまでのスピードは確実に速くなる。

いずれの場合も、ひな型は一度作ってしまうと頭の中に叩き込まれる。それを作るだけで、すぐやる人、すぐ動く人へのパスポートを半ば手にしたようなものと言えるだろう。

◎ひな型があれば、いつだってすぐ動ける

 

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