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呼吸に集中することで「今、ここ」の状態を作り出すマインドフルネスの方法

荻野淳也(マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事)

2020年02月26日 公開 2023年08月17日 更新

 

1日5分でOK!「心の筋トレ」習慣を

 生きている限り、ストレスがなくなることはありません。しかし、この三つの力が向上すれば、過度な増幅を防ぐことはできます。

 マインドフルネスは、誰でも習得できる技術です。座禅などの瞑想と違い、難しいルールもありません。

 とはいえ、コツはあります。

 まず、呼吸を意識すること。「今、吸っている」「今、吐いている」ということを意識するのは、「今、ここ」に注意を向ける入口になります。

 姿勢を正して座り、鼻から息を吸って、鼻から吐く、という時間を、毎日5~10分ほど設けて、その間は呼吸だけに集中してみましょう。これが、マインドフルネスの最も簡単な練習法です。

 雑念が湧いてきても、「これではいけない」などとジャッジしないこと。雑念が湧いていることを、あるがままに認識できているなら、マインドフルネスの状態になっています。

 毎日続けると、早ければ数日、遅くとも8週間で、どんな人でも効果が感じられるようになります。

 それは、脳の神経細胞には可塑性があるからです。身体を鍛えれば筋肉がつくのと同じく、脳も練習によって変えることができるのです。

 慣れてくると、何をしているときでもマインドフルネスの状態になれるようになります。

 私は、トレイルランという、自然の中を走るレースの最中にも、マインドフルネスの状態になっています。疲れて「もうリタイヤしたい」と思っても、「今、ここ」の注意を向けることで、次の一歩を踏み出すことができます。

 ビジネスパーソンの方々が困難なプロジェクトに向き合う際も同様でしょう。タスクを細かくブレイクダウンし、「今の1タスク」に集中すれば、いつか壁を突破できます。

 

《取材・構成:林 加愛》
《『THE21』2020年2月号より》

著者紹介

荻野淳也(おぎの・じゅんや)

〔一社〕マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事

1973年生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルタントやベンチャー企業のIPO担当、取締役を経て、現職。マインドフルネスを軸としたコンサルティングやエグゼクティブコーチングに携わる。慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科研究員も務める。著書に『かんばりすぎない休み方』(文響社)などがある。

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