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脳科学が明らかにした「成果を出す人ほどしっかり休む」の秘密



2021年05月03日 公開

岡田昭人(東京外国語大学教授)

 

「作業25分+休息5分」を1セットとして考える

長時間にわたる作業が見込まれている時は、「どれぐらい集中すべきか」そして「休憩はどんなタイミングでとるべきなのか」が大切になってきます。そういった時間配分について指針となるのが、「ポモドーロテクニック」です。

これはイタリアのコンサルタント、フランチェスコ・シリロによって考案された方法で、ポモドーロとはイタリア語で「トマト」のことです。シリロが学生時代に、トマト型のキッチンタイマーをセットし、時間を区切って試験勉強をした経験がもとになっています。タイマーさえあればかんたんに実行できます。

シリロは、持続可能な集中時間と休憩時間の回数などを分析し、人にとって最大限の生産性と効率性を引き出せる時間が「作業25分+休息5分」であると結論づけました。この「25分+5分」の1セットを、「1ポモドーロ」とします。

4ポモドーロをこなしたら、15分~30分の長い休憩をとるようにします。そして、このサイクルを1日に数回繰り返せば、作業を効率よく進めることができます。

 

ポモドーロテクニックの4つの効果

ポモドーロテクニックには、4つの効果があるとされています。

1.集中時間の定着
25分という時間が決められているので、その間中ずっとほかのことを考えないで作業に集中する習慣が身につきます。

2.時間に対する不安の解消
作業時間に終わりがないと、「やり続けなければならない」という不安やプレッシャーが生じます。「25分間」という時間を設定することで、前向きな気持ちに切り替わります。

3.休息ダレの防止
休息時間が長すぎると、かえってダラけてしまいます。休息も「5分間」と決まっているので、またすぐ作業に入る気持ちに戻ります。

4.時間内のキャパシティの把握
ポモドーロテクニックの習慣が身につくと、自分が一度にこなせる作業量や作業にかかる時間の目処がわかってきます。「25分間で報告書1枚」というように自分の処理能力を把握しておけば、さまざまな作業で目途が立てやすくなります。

 

ポモドーロテクニックを実践してみよう

以下の5つのステップに沿って、ポモドーロテクニックを練習してください。

①実行するタスクを決める(例:報告書を作成する)
②タイマーを25分に設定する
③タイマーが鳴るまでタスクをおこなう
④5分間の休憩を取る
⑤ポモドーロを4回こなした後に、長い休憩(20~30分)を取る

コツとしては、まず必ずタイマーを使用することです。携帯のアプリにもあるので、ぜひ試してみてください。

休息時には「まったくなにもしない」ようにすることも大事です。その時間帯に別の作業をしたり、あれこれ考えたりすると、脳が休む時間をとれず、疲労してしまいます。深呼吸する、瞑想する、お茶を飲むなど、仕事とはまったく関係ないことをして、脳を休ませてください。私の場合は、ヨガ教室で学んだ瞑想をするようにしています。

電話や来客などで、やむをえず作業を中止することがあります(「外的中断」と呼ばれます)。また、「メールをチェックしなければならない」「だれかに連絡する必要を急に思い出した」など、自分の意思で止めてしまうこともあるでしょう(「内的中断」と呼ばれます)。こういった中断があると、ポモドーロの効果がなくなってしまいます。

シリロは、特に「内的中断」には注意しなければならないとしています。なぜなら、心に焦りや不安をもったままで作業を進めようとすれば、気が散ってしまい、今やっていることを先延ばしする原因につながってしまうからです。

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