「中古」は値段交渉しやすい
【日下部】はい。とくに中古物件なら新築物件に比べて値切りやすいですよ。
【梅田】「家を値切る」って発想はなかった……
【日下部】物件にもよりますが、5%くらいまでなら安くしてもらえる可能性はあります。よくあるのが「端数切り」。「3480万円」の物件なら、端数の80万円は値切らせてもらいやすい。とくに中古物件のほとんどは、売主が個人。「早く手放したい」という心理が働くので、交渉に応じてもらいやすいんです。
【梅田】どんなふうに切り出すんですか? 単刀直入に言うのは、気が引けます。
【日下部】価格交渉から最終的な手続きまで、売主さんと実際に会うことはほぼなく、通常は仲介の不動産屋さんを通しての話になります。だから遠慮しすぎる必要はありません。まず「とても気に入りました」とアプローチしましょう。「ただ、ちょっと予算に見合わなくて、歩み寄りをお願いできませんか」と調整をお願いするんです。
【梅田】物件を褒めつつ、「歩み寄り」という表現で伝えるのは、切り出しやすいですね。
「値引き」しやすいとき・しにくいとき
【日下部】ただし、必ず値切れるわけではありません。タイミングも重要で、時期によって「値引きしやすい・しにくい」があるんです。
【梅田】いつですか? 教えてください!
【日下部】「家がよく売れるから値引きが難しい時期」は2~5月、その次が9~10月。反対に「家を探す人が少ないから値引きしやすい時期」は6~8月、そして年内に「売ってしまいたい」という心理が働く12月です。通常、家が底値になるのは8月、そして12月と覚えてください。
【梅田】「自分のほかに買い手候補が出てきた」ってわかるものなんですか?
【日下部】はい。「ほかの方も内見を希望されていて」なんて、匂わせられますから。
【梅田】駆け引きの世界ですね。
【日下部】人気のある物件や、お買い得物件に多い話です。反対に、何か月も売れない物件もあって、3か月売れないと価格が下がることが多いですね。