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生き方

“時間を守らない”のは自惚れているから? 常識がない人への対処法

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年07月11日 公開 2024年12月16日 更新

 

列に平気で割り込む人

自販機やレジなどの順番を、列に並んで待つことができずに平気で割り込んでくる人を見かけます。これは気分のいいものではありません。

けれど、勇気のある誰かが「並んでますよ」とたしなめても、こういう人は恥じ入ることなく平気な顔をしています。なかには「うるさいことを言うな」などと、逆ギレする人もいて、注意するのもひと苦労です。

幼児が、思いどおりにならないことがあるとだだをこね、自分の意のままに振る舞おうとするのと同じです。

幼児の場合、親に叱られて、「自分のことばかり優先してはいけないんだ」と学んでいきますが、それをせずに大人になってしまう人が、しばしば存在するのです。すると何歳になっても、自分の欲求や利益を最優先させるようになります。

こういう人は、自分にとって不快な出来事は、すべて相手に非があるという感覚でいます。車が渋滞していれば「なんでこんなに込んでいるんだ」、行列ができれば「なんでみんな集まってくるんだよ」と、怒り出します。自分もその混雑や行列の一員だということに、思い至らないのです。

情報が氾濫し、人々が処理しきれないような過剰負荷環境にある現代社会は、このような人が増える土壌となっています。過剰な環境からのストレスを防ぐために、「自分には関係ないことだ」と、周囲の状況を切り捨てて見ないようにする人が多くなるからです。

すると、自分の行動が、はた迷惑なことなのかどうかの判断も、鈍くなっていきます。社会と自分とは、関係がないものだとするために、周りが見えなくなってしまうのです。

常識を平気でくつがえすような人が周囲にいたら、相手に顔をしかめる前に、「同じ環境の中で、自分も同じようになってはいないだろうか」と、振り返ることも大切かもしれません。

現代社会はストレスがいっぱい。自分もストレスに耐えかねて、いつの間にか自分中心の考えになっていないか、振り返ってみましょう。

 

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