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生き方

“時間を守らない”のは自惚れているから? 常識がない人への対処法

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年07月11日 公開

“時間を守らない”のは自惚れているから? 常識がない人への対処法

時間を守らない人、列に割り込んでくる人、世の中には常識が欠けていると言える人たちが存在します。そんな人に対峙した時、どう接すればよいのでしょうか。目白大学教授の渋谷昌三氏に解説いただきました。

※本記事は渋谷昌三著『「めんどくさい人」の取り扱い方法』(PHP文庫)の一部を抜粋、編集したものです。

 

待ち合わせや締切りを守らない、時間にルーズな人

私たちは、小・中学校の頃から、決められた時間に登校し、やるべき宿題は期限までにやることを課され、時間や期限をきちんと守るようにと教え込まれて育ちました。

なぜそれが必要かといえば、大人になったとき、そうした決まりごとを守れない人間は、いくら能力が高くても、一人前とは認められないからです。

けれど、なかにはどうしても、約束した時間や締切りを守れない人がいます。こういう人は、約束そのものを甘く考えているか、約束した相手を、軽んじているかのどちらかです。

約束そのものが、当人にとって「どうでもいい」の場合、約束や期限は忘れられがちです。問題は、約束した相手のことを「どうでもいい人」「自分より低い立場の人」と思っている場合です。

自分の方が偉いから、待たせてもいい、期限がすぎてもどうってことないと考えている場合、どんなに怒っても、抗議をしても、相手が心を入れ替えることはありません。

こういう人は、うぬぼれが強く傲慢なうえ、「自分の方が優位に立っている」ということを、つねに相手に示したくて仕方がありません。ですから、ことあるごとに、約束を反故にするような態度をとり、相手の反応を試しているようなこともあります。

もし仕事相手なら、懐に入っていけば、かわいがってもらえるでしょう。

けれど、友人や恋人など、フェアにつき合いたい相手がこんなタイプなら、許してばかりいるのは問題です。相手のことを見下し、自分の言うなりになると勘違いしています。そんな関係がイヤなら、「約束も守れない人と、これ以上つき合う気はない」と、堂々と宣言すべきでしょう。

相手にとって本当に大切にしたい関係ならば、心を入れ替えるはずですし、そうでないなら、離れていきます。いずれにせよ、不本意でアンフェアな関係を、断ち切ることができるでしょう。

「約束を守れない人とはつき合えません」とはっきり言い、不平等な関係を断ち切りましょう。

 

貸したお金が戻ってこない。金銭感覚がゆるい人

お金に対する価値観というのは、本当に人それぞれのようです。

「缶コーヒー買うから、小銭貸して」という場合の貸しては、返さなくてもいいと判断している人もいます。かと思えば、消費税分まできっちり返さないと気が済まない人もいます。

ですから、お金の貸し借りやワリカンをするのは、同じような金銭感覚の持ち主とだけにしたほうがいいのです。「この程度なら、返さなくてもさほどおおごとではない」と考える金額が5円なのか500円なのか5000円なのかで、お互いに気分がまったく違うでしょう。

なかには「友達同士の貸し借りは、返さなくてもいいもの」という考えの人もいます。たとえば、こちらがお金を返さないでいても、お互いにそれくらい融通し合う仲だと考えている人です。

金銭感覚がルーズな人はまた、あちこちに借金をしている場合も少なくありません。「金は天下の回りもの」などと言って、親戚や恋人、消費者金融など、いたるところに借金をしている人もいます。

異性関係にからめて「いつか2人が幸せになるために」「あなたと結婚する前に、借金をきれいにしたいから」などと、言葉巧みにお金を引き出そうとする人もいて、こうなるともう、犯罪スレスレといえそうです。

こういう人は、金銭感覚がどこか壊れてしまっています。よほどのことがない限り、まともな感覚に戻ることはありません。本当に大切にしたい人以外は、スッパリと縁を切るか、「つき合いは続けるが、絶対にお金は貸さない」と宣言するか、どちらかを選ぶ必要があります。

お金に対する価値観は人それぞれ。自分と感覚が異なる人とは、貸し借りを控えたほうがいいでしょう。

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列に平気で割り込む人

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