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仕事

不確実な時代において「仕事ができる人」に共通するたった一つの条件

内田和成(早稲田大学名誉教授)

2023年08月15日 公開

 

「失敗した。今度はもっと調べよう」が成長を妨げる?

大事なのは失敗した際だ。

大事な情報の見落としがあったりすると、「今度は倍の情報を集めてから判断しよう」と考えがちだが、こうした「あつものに懲りて膾(なます)を吹く」の姿勢では、いつまでたっても意思決定力は身につかない。

失敗したからより多くの情報を集めるのではなく、「同じ情報量でいかに正しい意思決定ができるか」を追求する。私はそこが、いわゆる「できる人」になれるかどうかの別れ道だと考える。

一方、企業としては「失敗を許容できる文化」を醸成することが不可欠だ。失敗を責め「次はもっと慎重に情報を集めてから決断しろ」という話になると、失敗から学習することはできなくなる。

最近は失敗を恐れ、なかなか行動に踏み出せない人が増えているとも聞くが、ここで失敗を恐れていてはいけない。

これはビジネスだけでなくプロスポーツの世界、あるいは将棋や囲碁の世界でも同じだ。名人とかプロフェッショナルと呼ばれる人たちはみな、失敗の経験の中から自分の実力を磨き上げてきた。

まずは、「重要な意思決定だからこそ、時間をかけてしっかり調べよう」という常識を、「何事も、なるべく少ない情報で決めてみよう」に変えることがスタートだ。

 

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