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転職の目利き力を鍛えて、「やりがいに満ちた仕事」を見つける1つの方法

佐野創太(退職学研究家)

2024年06月12日 公開 2024年12月16日 更新

「年齢的に、今回の転職がラストチャンス。もう一花咲かせる仕事に挑戦したい」。しかし、面接では「新規事業の立ち上げに携われる」「裁量権が大きい」と言われたものの、実体は違っていたというケースも少なくない。こうしたミスマッチはどうすれば防ぐことができるのか?

自分の強みを活かせる「真のチャレンジ事業部」と「名ばかりチャレンジ事業部」を見極める方法を、退職学(R)の研究家・佐野創太氏が伝授する。

※本稿は、佐野創太著『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

チャレンジ事業部を炙り出す「ある質問」

積極的に人もお金も投資していく刺激的な事業部が、「チャレンジ事業部」です。花形事業部や縁の下の力持ち事業部で稼いだ利益を、チャレンジ事業部に投資してさらに成長します。自分の行動が結果や施策に反映されやすく、「これは私が携わった仕事だ」とやりがいを肌で感じたい人がいきいきと働ける環境です。

こうしたチャレンジ事業部はどうやって見つけるのでしょうか?

上場企業であれば、「株主説明会資料」の「中長期計画」と「事業部ごとの計画」に該当する部分がヒントになります。中長期計画には会社によってハッキリと、「●●事業部を今後の中核事業に育てる」と書かれています。

一方で、事業部ごとの計画には「どの職種をどれくらい採用予定か」「●年で売上を●倍にする」などといった今後の方針が書かれています。成長の幅の大きさと、そのための施策にお金と時間がかかっている比率が高い部署は、チャレンジ事業部だと判断できるのです。

しかし、上場企業でなければ、ここまで情報は開示されていません。そこで、転職エージェントや企業へ直接質問します。聞き方はシンプルです。

「複数事業部がありますが、特に成長させたい事業部はどれでしょうか?」
もしここで、転職エージェントや企業が「どれもバランスよく成長させています」と答えたら、次のように質問してみてください。

「役員がミーティングに入ったり、力を入れている部署はどれですか?」
「社長が発案して始まった事業部はどれですか?」
「●●事業部では、専任の人と兼務の方の比率はどれくらいですか?」

経営陣、事業、現場といった3つの視点からチャレンジ事業部を炙り出せます。

 

「新」のつく求人に注目しよう

では、どういった人がチャレンジ事業部に向いているのか。ひと言で表すなら、「向上心の強いリスクテイカー」でしょう。

企業分析には「攻め」と「守り」があるとお伝えしたのを覚えているでしょうか? 攻めとはいわゆる「市場価値」が上がる、つまり「その経験を弊社でも生かしてくれませんか?」と転職市場でオファーがかかりやすい人物になるということです。

私はこうした志向の人には、「『新』がつく求人を出している企業に絞って応募しましょう」とアドバイスしています。「新」とは、「新規事業」「新スタッフ」「新メンバー」「新店舗」などです。厳密には「海外進出」や「●●エリア進出」も入ります。部署の「立ち上げ」や「創設」も候補です。

この「新」をキーワードとした求人は、リスクがつきものです。ダメで元々。だからこそ、うまくいった時のあなたの貢献は大きく評価されます。チャレンジ事業部を志望する人は、志望動機を聞かれたら、こう答えてください。

「この事業がうまくいけば、社会が変わるほどのインパクトがあると思います(可能性への共感)。一方で、立ち上げから参画されている方は楽観視していないはずです(現実への理解)。私も、ないものは作り、見つけた課題は自分から手を挙げて解決します。まずは私の●●の経験で貢献できるよう、挑戦します(貢献)」

相反するように見える、「可能性への共感」と「現実への理解」の両方を示してください。2つの立場を示すことで、あなたの本気が伝わります。 

そしてここでも「貢献」が必須です。チャレンジ事業部には人を育てたり面倒を見たりする余裕はあまりありません。あなたの経験や専門性を今すぐ欲しがっています。貢献を示すことで、あなたの「私はあなたたちと一緒にやり抜く」という意思を伝えてください。

 

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