いちばん身近な存在のおかげで救われた瞬間 世の中にはたくさんの名言や迷言、奇跡のような出来事が存在します。でもそれだけではありません。誰かの人生のきっかけとなる言葉や行動は人それぞれ異なり、それは飾らない何気ない言葉や行動だったりもします。誰がどんな言葉や出来事できっかけをもらったのか、些細なことから大きな出来事までさまざまな分野で活躍されている皆さんに伺いたいと考え、実際に伺ってきました。
第7回としてお話を伺ったのは、コメディアンとして活躍され、2023年にパーキンソン病を公表されたインコさんです。インコさんが仕事や生活をしていくうえで、いちばん身近な存在から学んだことについて話を伺いました。
そもそも「インコさん」という名前は・・・
もちろん「インコさん」という名前は芸名です。インコさんの本名は成田優介さんと言います。なぜ「インコさん」という名前になったのか、そこにはインコさんの妻の存在が深く関わっていました。
インコさんの妻はデザイナーをされていて、インコさんがライフワークにされているコメディなどのライブ活動では舞台のデザインなども手伝われているそうです。
インコさんは悩んでいました。本名である「成田優介」はコメディに向いていない名前だと感じる一方で、しかしインコさん自身が芸名を考えるとどうしても「二階堂小手夫」みたいな少し奇をてらった路線に頭がいってしまうため、まだ「インコさん」というネーミングにはたどり着きません。
結局のところ、当時インコを飼っていたエピソードを番組で話したことから、ネット上で「インコさん」というあだ名が付きました。インコさんはこれを芸名にしようと考え、妻に相談したところ、妻にそれがウケたんだそうです。相談したところ「それ、いいかもね」であっさりとインコさんというコメディアンが生まれました。
裏をかこうとせず、そのまま真っすぐでいいんじゃないかみたいな意見では、妻から学ぶことが多いといいます。
妻から学ぶこと
インコさんはスタンダップコメディをライフワークにされており、そのトークライブで毎年定期公演を行っています。
その公演のタイトルは「おはようインコさん」です。実はこの公演タイトルも、インコさん自身ネーミングについて悩んでおり、妻にこれもタイトルを相談したところ「『おはようインコさん』で良くない?」のひとことであっさりと決まりました。
朝に開催するトークライブではないにも関わらず「おはよう」という言葉がタイトルに含まれる不思議さはありますが、わりとダイレクトなタイトルで、わかりやすいネーミングであることも幸いし、今年2025年で10回目の開催を迎えます。
またインコさんはイラストレーターとしても活躍されています。そのためデザイナーである妻にはイラストに関してダメ出しされることがあるそうです。たとえばインコさんがイラストを描いているときに、ある部分に関して自信なく描いていると、すぐに妻にその部分については指摘され、自信がないことがバレるんだそうです。
インコさんご自身がパーキンソン病と診断されるきっかけも、インコさんの様子を見た妻が病院を受診したほうがいいとインコさんに伝えたことがきっかけでした。
より身近な人たちの暖かさを感じる
インコさんはパーキンソン病を公表されてからも病気さえもネタにしながらコメディアンとしてライブ活動を精力的に活動されています。最近そんなライブ活動に来てくれる仕事関係者がふとインコさんに「(病気なんかは関係なく)これ、ずっとやってよ」とライブ活動をずっと続けてほしいと言ってくれたんだそうです。
インコさんはその言葉にすごく救われました。インコさん自身がライフワークとして取り組んできた仕事に関して、ずっとやってほしいと思ってくれていた人がこんなに身近にいたことに救われました。
パーキンソン病は脳内のドーパミンが減少する病気で、手の震えや筋肉のこわばり、うつ症状などが現れることがある病気だそうですが、インコさん自身は、日々コメディアンとしてネタを考えることがいい意味で作用して、気持ちを塞ぎ込んだりしないため、うつ症状などが出にくい状況を得ているとも話します。
インコさんが敬愛するスタンダップコメディアンは自身のうつ病を告白されながらも活動をされているそうです。そしてインコさん自身、スタンダップコメディアンとして、悩みや病気のことも笑いにできれば、自分も歳を重ねて生きている意味があるのかなって最近思うようになったと言います。
日々の葛藤や悩みなどもすべてネタに変えながら、今月もインコさんはトークライブの舞台に立ちます。