1. PHPオンライン
  2. 仕事
  3. 先延ばしを防ぐ最強の習慣 「ちょっとだけやる」「7割で止める」仕事術

仕事

先延ばしを防ぐ最強の習慣 「ちょっとだけやる」「7割で止める」仕事術

野呂エイシロウ(放送作家/戦略的PRコンサルタント)

2025年11月20日 公開

早くやったほうが楽なのに、つい先延ばしにしてしまう。 ダイエットも途中で「また今度」とやめてしまう。
どうすればこの悪いクセは治るのだろう? 性格だから仕方ないのか?

そう悩んでいたのは「婚活ブーム」「フラッシュマーケティング」「ふるさと納税ブーム」など、さまざまなブームに携わってきた放送作家で戦略的PRコンサルタントの野呂エイシロウさん。
そんな野呂さんがたどり着いたこたえは、「ちょっとだけやる」ことといいます。

本稿では「ちょっとだけやる」そして、時間を無題にしない、やる気を維持するための「とりあえず7割」について解説して頂きます。

※本稿は、野呂エイシロウ著『仕組み化する人はうまくいく』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

締め切りまで2週間ある仕事でもいったん少しだけ始める

仕事はとっかかりまでに時間がかかります。そして気がついたら締め切りで大慌てに。そんな経験ありますよね?

以前の僕はそんな感じでした。
「この雑誌を読んでから仕事しよう」
「あと30分たったら仕事しよう」
「月曜日になったらやろう」

などとさまざまな言い訳をつけて、延ばし延ばしにしていました。でも結果的に大慌てになり、雑になり、評価が下がるという連続で悪循環です。

「どうしたらできるようになるか?」と真剣に考えてたどり着いたのが、ちょっとだけやるという行為です。

先ほど、2週間先が締め切りの日経MJの原稿に手をつけました。合計で1700文字が必要な原稿ですが、そのうち500文字程度書きました。するとちょっと気が楽になるのです。取材した後なので気分が高揚しています。だからすぐに書けるのです。

ところが、2週間ほど放置すると、書こうという気にならなくなってしまいます。

また、いざ書こうという時に情熱が冷めている可能性もあります。そして記憶をたどって書くので、生々しさや勢いが足らなくなってしまうことも度々。それよりも、勢いがある時に、書きたいフレーズを書いてしまうのが望ましいのです。

そう、義務感で書いた文章ほどつまらないものはないと思います。
だから、勢いで書きたいと思っています。文章はできる限り、"勢い"がある時に書かなければならないというのが僕の持論です。

戦略的PRコンサルタントの仕事をしていて人々によく伝えるのは、"勢い"の話です。

勢いがある文章を書けるか、提案ができるかということにあります。勢いがあると、相手もドキドキ、ワクワクして期待します。

勢いがあれば、「これは面白いかもしれない」「これは、取材して世の中に伝えなければならない」などと思っていただける場合がたくさんあるのです。

そのために、まずは第一歩を踏み出すことが何よりも大切です。

これは何も文章に限らず、さまざまな仕事に応用できます。
ほんのちょっとでいいのです。

仕事は、はじめにちょっとだけ、かじればいいのです。企画提案書を書く仕事であったなら、とりあえずワードに少し書いてパソコン上に置いておけばいいと思います。

こうして少しずつ進めながらどんどん動いていくものです。まずは第一歩をスタートしましょう。すると見えてくる景色があります。ビジネスが大きく変化するので、ぜひともやってみてください。

 

「とりあえず7割」ルールで無駄を減らす

仕事で何よりも大切なのは速度です。
仕事で成功する人はとにかく速いのです。下手でもいいからどんどん進める癖を持っています。

日本の企業の仕事の仕方で違和感があるのは、とにかく、緻密に時間をかけてゆっくり進み、最終的に「中止」「残念ながら保留」となって、全てが止まってしまうケースの多さです。本当に残念だと思います。

たとえば企画書。2日間かけて緻密に書いて「ボツ」になったら、その2日間の努力と時間と人件費がハッキリ言ってしまえば無駄です。

「無駄とはひどい」と思うかもしれませんが、それが現実です。
仕事は、体力をつけるためのトレーニングではありません。仕事は何らかの成果を出すために行わなければなりません。

もし、あなたがサラリーマンなら、「まあ、上司に言われてやったことだし、それも仕事。別にいいか」と思うかもしれません。

でも、僕のように自営業の人間にとって、ボツは全て無駄です。そんな無駄は少しでも減らしたいのです。

ですから、もし、中止になるとしても、損害は最小限にしなければなりません。
そこで心がけていることがいくつかあります。

・メールでA氏に打診。こんなことを考えているけど興味があるかどうか?
・ 早急にペラ1枚の企画書を簡単に書いて打診。もしそこで方向が違うと言われたらミーティングを即座にして修正

・ 7割企画書ができたところで、「まずは、まだラフなのですが」とさらに打診。
そこで心が変わるかどうか調べながら進める
・もし、その時点で「やっぱりないな」と言われたら、無理をせずに即時中止

・でも、その7割できた企画はもったいない。だからその企画を別のB氏に打診。
・B氏が興味を持ったら、その7割の企画書をさらに訂正
ということを繰り返しています。

つまり、大切なのは、自分なりに勝手に完成させて相手に判断を仰いで、「ボツ」になることを防ぐのです。
それよりも、中途半端でもいいから相手の意見を聞く癖をつけることです。

また、バランスを見ながら相談していくほうが、調整がしやすいです。

彫刻にたとえるともっとわかりやすいでしょう。彫刻を彫る時、仕事で失敗する多くの人は、足の小指から彫り始めます。それも超正確に彫り始めます。

それって実は超難しいことなのです。想像してみてください。彫刻では、「頭がどこにあるのか? 上半身のバランスは?」などと考える必要があるからです。通常、大まかに削りながらどんどん細かくしていきます。

「そんなこと当然じゃん」と思うかもしれません。

その通りです。でも仕事となると、そんな常識を忘れていきなり彫り始める人が、実は非常に多いのです。特にパソコンで仕事をしていると、ついつい細かいところに目が行ってしまいがちになります。でもそれはのちのち時間の無駄を招きます。

先ほどから述べているように、人生で一番大切なのは時間です。それをいかに無駄にしないかが大切です。

そのためにスケジュール管理を綿密にしているのです。だから仕事も今やっていることが無駄にならないように、頭を使う必要があります。

それに、無駄になってしまう仕事をたくさんやっていると、悪い癖がついてしまいます。「これもどうせ無駄になってしまうに違いない」と、仕事のやる気が失せる場合があります。だからなんでも7割で打診する。そんな癖をつけましょう。

人間は心が折れやすい動物です。完璧にやってゼロになったときの衝撃は計り知れません。ぜひとも7割で一度止まりましょう。

関連記事

アクセスランキングRanking