1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 満島真之介が朝5時台に起きて裸足で芝生を歩く理由 心をリセットする朝習慣

くらし

満島真之介が朝5時台に起きて裸足で芝生を歩く理由 心をリセットする朝習慣

満島真之介(俳優)

2026年02月19日 公開

明るくポジティブなイメージのある俳優の満島真之介さん。しかし、デビュー当時は周囲と自分を比べてしまい、自己否定に苦しんだことがあったそうです。その後、心身の健康を保つため、大切にするようになったのが「朝の時間」。彼が毎朝5時台には起きて行なっている、心の荷物をリセットする習慣を教えていただきます。(取材・文:辻 由美子)

※本稿は、『PHP』2026年1月増刊号の内容を一部抜粋・再編集したものです。

 

心の荷物を毎朝リセットする

僕は毎朝5時台に起きて、6時には公園にいます。朝の公園は、すがすがしくて、まだ人の呼吸やエネルギーが充満しておらず、都会だということを忘れるほど新鮮な空気が流れています。

そんな空間で、ランニングをしたり、芝生の上を裸足で歩いたり。僕にとって朝は、やすらかな気持ちになれる時間です。前日にネガティブなことがあってマイナス思考になっていても、朝の新鮮な空気を胸いっぱい吸い込んで、「今日はまた新しい1日が始まるんだ」と自分に言い聞かせる。すると、気持ちをリセットすることができます。

今ではそんなふうにホッとできるようになりましたが、10代、20代のころはいつも気持ちがふさぎがちというか、張りつめていることが多かったです。

体育教師をしていた両親の影響で教師を目指していたのですが、僕が育ったのは、携帯電話が普及するなど、世の中が大きく動いていた時代。幼いながらに「誰も見たことがない新しい時代がやってくるんだ」という漠然とした不安がありました。

これから自分はどう生きるのか、誰に何を伝えるのか。考えれば考えるほど悶々として、いてもたってもいられなくなり、もっと広い世界を知るために、18歳で沖縄から東京に出てきたのです。

 

先を思いわずらうより「今」を楽しむ

そこで出会ったのが、自閉症の子どもたちでした。学童保育の補助員の仕事をしていたときに彼らと出会い、衝撃を受けました。先のことばかり思いわずらっている自分に対して、彼らは「今」を思いきり楽しみ、好きなことをして笑っている。未来に気をとられてクヨクヨするなんて、なんてもったいないことをしていたんだろう。

一念発起した僕は、「今」やりたいことに打ち込んでみようと、自転車で日本一周の旅に出かけたり、映画演出の仕事にチャレンジしたりしました。旅での経験や、たくさんの出会いの先に、「僕は、表現をしないと生きていけない」という強い想いが湧いてきたんです。

運よく役者デビューはできたのですが、周囲はキャリアのある先輩たちばかり。自分の未熟さを思い知り、落ち込み続ける日々でした。今でこそ、役者にはみな個性があるのだから、人と比べる必要はないと思えるようになりましたが、当時は自分を否定してばかり。ふたたび悶々とする状態に陥って、心身のバランスを崩してしまうこともありました。

そんな日々に終止符が打たれたのは、今の事務所の社長とマネージャーに出会ってからです。偶然の出会いをきっかけに、めざす方向性が一致した僕たちは、新しい事務所を立ち上げることになりました。それが3年ほど前(※)のこと。朝の時間を確保できるようになったのも、このころからです。

 

健康な体と幸せな気持ちを最優先

心身のバランスを崩した経験から、健康な体でいることと、幸せな気持ちで過ごすことを最優先にしたいと思いました。そのために、朝をどう過ごすかが僕にとって重要なことだと気づいて、夜はなるべく遅くならないうちに眠るようにしています。いい朝を迎えるために、昔は無理をして参加していた夜のつきあいも、断れるようになりました。

朝を気持ちよくスタートできれば、その日1日、気持ちよく過ごせます。早起きして動いていれば、時間の余裕が生まれるので、目の前の仕事に100パーセント集中できるのです。

朝のうちに掃除や洗い物などの家事をすませいていますから、外出中も「家がぐちゃぐちゃのまま出てきちゃったな」とか「帰ったらあれをしなければ...」という気持ちのトゲみたいなものがありません。

 

自分で自分をケアしよう

朝の時間を使って、体の状態を入念にチェックするようにもしています。朝は自分1人でいられるので、1日のうちでもっとも自分の体の状態に気づきやすい時間だと思っています。まずは、自分の体をハグして全体を感じる。そして次に、頭や足などのパーツに触れます。「今日は少し頭が痛いから、30パーセントくらいかな」「足はやけに調子がいい。120パーセントだ」などと感じられるんです。調子がよくないときは無理しないようにしています。

自分の体の変化に敏感になると、健康維持に役立つのはもちろん、他人のちょっとした変化にも気づけるようになって、人にやさしくなれますよ。

今朝は疲れているなと感じたら、温かいコーヒーを飲んだり、アロマをたいたり、足をもんでみたり。自分がホッとできる方法は、たくさんあるほどいいですよね。キッチンを無心に掃除することで、気持ちを切り替えられるときもあります。

今、僕に大きな悩みや不安がないのは、悲しいことや傷つく出来事が起こっても、毎朝いったんリセットできるおかげだと思っています。

悩みがすべてなくなってしまうことはなくても、その荷物をずっと背負い続けるのではなく、朝の時間だけ、いったん下ろして横に置いておく。そして、新鮮な空気の中で体を動かしてから、ふたたび荷物を持つと、ちょっと軽くなっています。それを毎朝くりかえしていると、知らないあいだに荷物がなくなっていたり、重さを感じなくなったりするんです。

同じ時間、同じ公園でも、季節や天候によって景色はがらりと変わります。行き帰りに1本ちがう道を通るだけで、新たな気づきや出会いが生まれることもあります。1日として同じ日はなく、毎朝が新たなスタート。そんな習慣を、これからも大事にしていきたいです。

※2022年当時

著者紹介

満島真之介(みつしま・しんのすけ)

俳優

1989年、沖縄県生まれ。2010年、舞台「おそるべき親たち」でデビュー。以降、舞台、ドラマ、映画、声優、バラエティーなど、幅広く活躍。

関連記事

アクセスランキングRanking