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生き方

「自分には価値がない」と思う人が体調不良を抱える理由 102歳の医師が授ける“愛を受け取る”処方箋

グラディス・マクギャリー(医師)

2026年04月02日 公開

幼い頃に愛されなかった、認めてもらえなかったという記憶は、「自分は愛されるに値しない」という思い込みとなり、心や身体の健康に影響することがあります。
本稿は、102歳まで医師として活躍したグラディス・マクギャリーの著書『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』から、自己評価と健康の関係について語る一節を紹介。愛を受けいれ、幸せを選び取るための道筋を示します。

※本稿は、グラディス・マクギャリー著『102歳の医師が教える 健康と幸せを保つ6つの秘訣』(&books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「あなたはかわいくなかった」家族の"ジョーク"に心を削られた日々

自分は愛を受けいれるのに値しないと思うような事態に私たちはよくおちいる。人が去っていく、傷つけられた、あるいは愛情をかけてくれないなど。虐待やネグレクト、無関心といったつらい体験は、私たちがどういう人になるかを形づくることがある。無意識に痕跡が残り、健康や幸せに大きく影響し得る。

過去に傷ついた経験があると、愛を受けいれるのが怖くなることがある。だからこそ、愛に意識を向けなければならない。恐れを乗りこえるのは大変だが、そうすることでもっと多くの愛を受け取れる。

患者のひとり、パメラは自分が愛されるのに値すると、なかなか思えないでいた。60代で私のところに来たときには、身体のあちこちに不調を抱えていた。カウンセリングを通じてわかっていたのは、彼女が自分は愛されるに値すると信じていないことだった。パメラは学校のカウンセラーとして問題を抱えた子どもたちの力になるというすばらしい働きをしているのに、自分の人生に価値を見いだしていなかった。いつでも他の人たちと自分を比べて、劣等感を抱いていたのだ。心の奥深くでは、人生を生きるのにも値しないと思っているのではないかと感じた。

しばらく話し合ったあと、私はパメラに、問題の根本になっていると思うことを話した。「私には、あなたが自分は愛されるのに値すると信じていないように思える」そしてきいた。「そうだとしたら、なぜなのか、思い当たることある?」 

パメラは笑った。「その言い方、うちの母親みたい」彼女は言った。その反応には驚いた。いったいお母さんに何を言われていたのだろう。どういう意味か、私は尋ねた。

「私が幼いとき、母は私を愛せなかったんです。かわいくなかったから......。愛したかったけど、あまりに恥ずかしかったんです」彼女は言った。未熟児で生まれたため、かなりやせていたのだという。子どものころ、よく聞かされた話がある。友達が赤ちゃんを見にきたときは、いつもパメラをタオルで包んで、顔だけしか見せなかったというのだ。「そうすれば、やせているのがわからなかったから」と母親は言っていた。2年後、健康な弟が生まれた。パメラが"かわいくない"赤ちゃんで、弟は愛らしい赤ちゃんだったから、母親は弟のほうを贔屓にしていたというのが長年、家族で"ジョーク"として語られてきた。

話しながら、パメラも気がついた。私はとうに気づいていたが、ジョークなどではなかったのだ。母親に繰りかえし聞かされていた話は、彼女を深く傷つけていた。どうして自尊心がこれほど低いのか、傷つくとわかっているのに自分を他人と比べてしまうのかを理解したのだ。私たちはこのセッションを、長い長いハグで終えた。彼女を抱きしめながら、私はパメラがこれまでずっと、当然受けるべきだった愛を、目いっぱい与えようとした。

その後のセッションでは、パメラの身体的な症状ではなく、愛されることに焦点を当てた。まず初めに、パメラは私の愛を受けいれることを学んだ。それから生徒たち、ご両親の愛も......。みんな彼女のことが大好きだった。それからようやく、自分自身を愛しはじめることができるようになった。すると、身体の不調はほぼ消え去った。 

 

幼い頃の体験が自己評価をつくる

パメラは、乳幼児のころから愛を受け取るのに苦労してきた。そんなに早くからと思われるかもしれないが、私たちの自分に対する信念や評価は、もっと早くから形成され得る。私たちは人生のすべての瞬間、愛されるべきなのだと知ってほしい。その思いから、私は自分のキャリアの大半を愛ある出産に注力してきた。 

 

魂が収まった人のオーラには、まとまりがある

1969年、私はイギリスで有名な霊能者の講演を聞きにいった。彼は話しながら、人のまわりに見えるオーラを図で示した。私にはオーラは見えないが、他の人の体験には心を開いて耳を傾けることにしているので、静かに座って聞いていた。彼の描くオーラには、ふたつのタイプがあるのに気づいた。落ち着いていて、頭の上を渦巻いて、下に戻っていくタイプ。もうひとつは、頭の上でからまって塊になっている。私がそのことを尋ねると、生まれたときに魂が"収まった"人たちのオーラは、まとまりがあるのだという。そうではなかった人たちのオーラは、ねじれたり、からまったりするというのだ。

彼の描いたオーラのイメージと、"収まった"という考え方は印象的だった。そこで当時私が推奨していて、その後何十年も続けることになる、愛ある出産と結びつけることにした。私はこれまでに何千人もの赤ちゃんを取りあげてきて、なかには2世代、3世代にわたって出産に立ち会った家族もある。赤ちゃんを両手で受け取るとき、私は愛を持ってその子をこの世に迎えいれ、世界は安全で優しいところで、魂がここに戻ってきたのは神の意志だと伝える。敬虔な気持ちで、その大切な頭を両手で抱く。そして生まれてきてくれたことに感謝する。そのとき、天使の歌声が聞こえると感じる。 

 

自分が生まれた瞬間を想像してみる

ここでいったん読むのをやめて、自分が生まれた瞬間を想像してみてほしい。無防備かつ完全な存在だった自分を......。初めて小さな目を開いて、世界を見たときの様子も......。 
よかったら、天使が歌っているのも想像してみよう。 
歌声が大きくなっていくのを聞こう。
幼い自分が黄金の光に包まれて、この世に歓迎された様子を思い描こう。 
このささやかなエクササイズをすすめるのは、自己愛にアクセスするには、私たち自身の奇跡を理解するのが大切だからだ。

詳しく見てみよう。あなたは母親のなかで生を受け、この世に誕生した。生物学的な母親と父親のもと、両親のものを受け継ぎつつ独自のDNAを形成して、目的を持ってここにやってきた。あなたの魂の旅は、育ててくれた人、あるいは人たちによって形づくられている。それは両親かもしれないし、どちらか一方、あるいはまったく別の人かもしれない。ここにいるあいだ、あなたは世界を変える。少なくとも小さな変化を起こす。他の人たちとつながり、彼らが人生を形づくるのを助ける。あなたは美を生む。ギフトを与え、経験をわかちあう。どれほど大きくても小さくても、あなたの影響力は、あなた自身には永遠にわからない形で広がっていく。

自分の人生を、なんらかの創造的な力によって意図されたもの、あるいは長くランダムな出来事の結果の産物など、どうとらえようとかまわない。いずれにせよ、奇跡的であることに変わりはない。

人生と調和すると、愛のエネルギーが心に流れこむ。それでも私たちは傷つくことも多い。生まれたときに魂がきちんと収まらなかったのかもしれないし、その後つらい体験をしたのかもしれない。愛から遠ざかるのは、そうした痛みに対する反応だ。でも、痛みは癒やすことができる。そして他の人たちはサポートはできるものの、あなた自身が参加しないことには始まらない。痛みを癒やす、魂を収める、自身の奇跡を感じるのを、あなた自身が選ぶことが大切だ。その選択は、洞窟のなかのマッチの灯だ。自分の価値について嘘を吹きこんでくる不安を克服する始まりであり、あなたを自由にする力を持っている。

 

愛を取り戻すと、健康と幸せがついてくる

人から愛を受け取るのは難しく、動物から始めるほうが楽な場合もある。これは、理にかなっていると思う。動物は人と比べて意見してこないので、私たちも心穏やかでいられる。犬や猫、それに馬を通じて愛を受けいれるようになった患者をこれまで何人も見てきた。私自身、多くの犬と暮らしてきて、とくに子どもたちが小さかったころ、その犬たちと触れあったのは大切だったと感じている。動物は無条件の愛を与えてくれ、こちらも愛情を感じやすい。私たちは愛されることができるし、愛することもできると、思いださせてくれる。たとえ私たちが忘れていたとしても......。 

愛を受け取れるようになれば、健康と幸せはついてくる。そうすると、自然と会う人みんなに愛を広めていくことになる。

著者紹介

グラディス・マクギャリー(ぐらでぃす・まくぎゃりー)

医師

1920年生まれ。ホリスティック医学の母として、国際的に活躍、米国ホリスティック協会の創立メンバーのひとりであり、70年以上にわたって家庭医を営み、ホリスティック医学、自然分娩、医師と患者のパートナーシップを精力的に提唱。米国ホリスティック医学協会(現総合医療と健康のアカデミー)の共同設立者・元会長、超心理学と医学のアカデミーの共同設立者であり、西洋の医師としてアメリカにおいて定期的に鍼灸治療を採りいれたひとり。104の誕生日のわずか2ヶ月前、2024年9月28日惜しまれながら生涯を閉じた。

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