1. PHPオンライン
  2. ニュース
  3. 47都道府県の代表が競う「本の甲子園」 今村翔吾さん発案の新たな文学賞とは?

ニュース

47都道府県の代表が競う「本の甲子園」 今村翔吾さん発案の新たな文学賞とは?

「文蔵」編集部

2026年05月27日 公開


「本の甲子園」記者発表にて

直木賞を受賞した際にはお礼のために全国の書店を回る「まつり旅」を、月刊誌『歴史街道』の連載では、各都道府県で戦国武将を一人ずつ選んで47の掌編小説とした今村翔吾氏。

次の全国規模での挑戦は、「本の甲子園」である。

※本稿は、『文蔵』2026年4月号より、内容を抜粋・編集したものです。

 

新たな文学賞「本の甲子園」とは?

昨年の夏、今村翔吾氏がX上で全国の作家に向けて、「(問)現在、お住まいの都道府県を公開されていますか? もしくはしても構わないとお考えですか?」と質問する投稿を行なった。

これこそが「本の甲子園」の第一歩だった。

「本の甲子園」は、今村氏が代表を務める一般社団法人ホンミライと、日本出版販売株式会社、株式会社図書館流通センターが設立した、新たな文学賞。

その目的は、書店と図書館の連携と、作家と地域の結びつきの強化である。

まずは、作家が自分の小説作品を、在住する都道府県の代表とするべくエントリー(2024年10月〜2025年9月に発刊した作品。同期間に最新刊が出たシリーズは第一作をエントリー可能。文庫の場合は文庫オリジナル作品のみ)。

選考するのは選考委員にエントリーした、公共図書館に勤める図書館員で、それぞれの都道府県の地元代表を決定する。

そして、2026年7月から10月にかけて、各都道府県の代表となった作品で、トーナメント戦が行なわれるのである。まさに「甲子園」だ。

しかもその勝敗は、エントリーした図書館員からランダムに選ばれた5名による投票で決まる。「本との出会いは縁である」との考えに基づき、単なる多数決ではない形にしたのだという。

大賞作が決定したら、地元の図書館と書店と作家が連携して、図書館や書店におけるトークイベント、講演会、サイン会、さらには図書館での展示やSNSでの発信などを行なっていく。

「本の甲子園」――。この新しい取り組みが、出版文化の未来を盛り上げることを期待したい。

 

著者紹介

今村翔吾(いまむら・しょうご)

作家

1984年、京都府生まれ。滋賀県在住。2016年、第23回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢佐保賞、18年、『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞、同年、「童神」で第10回角川春樹小説賞を受賞(刊行時『童の神』と改題)。20年、『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞、第8回野村胡堂文学賞、『じんかん』で第11回山田風太郎賞、21年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞、22年、『塞王の楯』で第166回直木三十五賞を受賞。

関連記事