リュウジ「どんな弁当でも恥ずかしくない世の中に」“簡単でいい”を貫いた本が料理レシピ本大賞
2026年09月10日 公開
2026年度「第13回料理レシピ本大賞 in Japan」の受賞作品発表会が開催されました。今年は44社から101作品がエントリー。料理部門の大賞にはリュウジさんの『リュウジ式 生きるための弁当』、お菓子部門の大賞には小嶋ルミさんの『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子 決定版』が選ばれました。
会場では受賞者が喜びを語ったほか、同賞のアンバサダーを務める天野ひろゆきさんも登壇。本稿では全受賞作と、会場で語られたコメントを紹介します。
第13回料理レシピ本大賞 in Japan 受賞作品
■料理部門:大賞
『リュウジ式 生きるための弁当』リュウジ(ライツ社)
■料理部門:準大賞
『世界一美味しくて健康的なズボラ飯 えっ、全レシピ塩分2.5g脂質20g以下!?』はらぺこグリズリー(KADOKAWA)
■料理部門:入賞
『長谷川あかりの「あたらしい」きほんの料理』長谷川あかり(オレンジページ)
■料理部門:入賞
『ズボラなせいろ蒸し』らむ(ワニブックス)
■料理部門:入賞
『一汁三菜おぼん献立』Hideka(ワン・パブリッシング)
■お菓子部門:大賞
『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子 決定版』小嶋ルミ(KADOKAWA)
■こどもの本賞
『ぜ~んぶひとりでできちゃう! 小学生のお料理ブック』新谷友里江(家の光協会)
■コミック賞
『季節が好きなわたしとマダム』にいざかにいこ(KADOKAWA)
■プロの選んだレシピ賞
『最小限の材料でおいしく作る9のこつ』ウー・ウェン(大和書房)
■ニュースなレシピ賞
『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』有働由美子(ワニブックス)
リュウジさん「やっぱり僕の根幹は料理なんだ」
料理部門の大賞を受賞したのは、リュウジさんの『リュウジ式 生きるための弁当』。リュウジさんにとって、料理部門の大賞受賞は今回が3度目です。YouTubeなどで幅広く活動しているリュウジさんですが、自身の本質は「料理研究家」だと語ります。
「このレシピ本大賞をいただくと、本当に僕はレシピで評価していただいているんだなと、改めて実感します。炎上とか、誰々と喧嘩しているとか、そういうことばかりニュースになるんですけど、この大賞をいただいたり、レシピ本を出して皆さんに買っていただいたりすることで、『やっぱり僕の根幹は料理なんだ』と思い出させてもらうというか」
リュウジさんが初めて料理レシピ本大賞で受賞したのは、2018年の第5回。初のレシピ集『お手軽食材で失敗知らず! やみつきバズレシピ』が料理部門に入賞しました。当時について「僕、家で泣きましたからね」と振り返り、「本当に皆様ありがとうございます」と感謝を伝えました。
今回大賞を受賞したのは、当初は「絶対出さない」と考えていたという弁当のレシピ本です。
「僕、弁当を作るのがめちゃくちゃ嫌いだったんです。当初、弁当本は絶対出さないと言っていたんですけど、僕もサラリーマンをやっていたので、サラリーマンの時にどんな弁当だったら持っていけたかなというのを考えながら作りました」
そうして完成したのが、とても簡単に作れる弁当を提案する一冊でした。
「皆さんにも、あまり気取らず、気張らず、簡単なお弁当を楽しんでいただいて、『こんな弁当でも恥ずかしくない』という世の中にしたいなと思っています」
天野ひろゆきさんも、リュウジさんの本を読み、印象に残ったという「手抜き」「ズボラ」という言葉について触れました。
「リュウジくんの本の中に、『手抜きとかズボラって言葉が僕はあんまり好きじゃない』と書かれていたんです。確かに考えてみると、料理だけが簡単に、効率よくやると『手抜き』と言われてしまう。普通、会社だったら効率を上げることはすごく褒められる。そういう部分もあるなと考えさせられました」
小嶋ルミさん「こんな日が来るとは思ってもみませんでした」
お菓子部門の大賞には、洋菓子店「オーブン・ミトン」のオーナーパティシエ、小嶋ルミさんの『せっかく作るなら、一生ものの、おいしいお菓子 決定版』が選ばれました。同書は、長年研究してきたお菓子作りのコツを、初心者にもわかりやすく解説した一冊です。
受賞を家族に報告したところ、「ママ、生きててよかったね」と言われたという小嶋さん。
「私は40年ぐらいパティシエをやっているんですけれども、賞とはまったく無縁のものだと思っておりまして、こんな日が来るとは思ってもみませんでした。皆さんのおかげです」
これまで15冊ほどの本を刊行してきたという小嶋さん。本書では、これまで発表してきたレシピを改めて見直し、改善を重ねたといいます。
「初めての方にもおいしくお菓子が作れるように、ポイントをたくさん入れて、わかりやすく作っていくことに専念しました。せっかく作るなら、皆さんもこの『一生もののおいしいお菓子』の本で、お菓子を作っていただきたいと思います」と読者へ呼びかけました。
有働由美子さん「レシピ本から一番ふさわしくない私が出てきましたが」
「ニュースなレシピ賞」を受賞したのは、有働由美子さんの『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』です。
同書は、有働さんが女将となってゲストに手料理を振る舞うMBSの番組『おしゃべり小料理ゆみこ』から生まれた公式レシピ本。番組は2023年7月にスタートし、書籍には番組で紹介された約2年分のレシピなどが収録されています。
有働さんは「レシピ本から一番ふさわしくない私が出てきましたが、こんな賞をいただいてありがとうございます」と切り出しました。
「ちょうど3年前にMBS毎日放送で『おしゃべり小料理ゆみこ』という番組が始まって、芸能界の方やスポーツ界の方に来ていただきながら、その方に合ったお料理を出しているうちに、レシピ本までできてしまいまして。本当にうれしいです」
この日は番組と同じく女将姿で登壇。「なかなかこういう好感度の高い発表会に来させていただくことがないので、今日は女将の衣装の中でも正装で参りました」と会場を沸かせ、「これからも精進して女将を務めていきたいと思います」と語りました。
有働由美子さんの「なすの重ね焼き」を実食
会場では、『女将 有働由美子のおつまみレシピ帖』に掲載されている「なすの重ね焼き」を、天野さんが試食する場面もありました。
有働さんは試食を前に、「この食リポで何を言ってくださるかで、あと何千部売れるかが決まりますので、よろしくお願いします」とプレッシャーをかけます。
これに天野さんは「なんでこっちがプレッシャー感じないといけないんですか!」と返しながら、料理を一口。
「めちゃくちゃうまい!やっぱりナスと油の相性はいいんですけど、豚の脂がナスに入っているんです。すごくおいしいですね。豚バラがパリパリになっているところもおいしい」
そして「さまざまな人生を重ねてきた有働さんの味。『有働の重ね焼き』と名付けさせていただきたい」と命名。有働さんはすかさず「いえいえ、シンプルな人生でございます」と返し、会場の笑いを誘いました。